フラフラと歩いていたら、いつの間にか後ろについてたテヒョンがいなくなってた。
1人で仕方なく歩いていると、
進行方向に女の子を取り囲む数人の男がいた。
よくよく見て見たら、あいつだった。
いつの間にか俺の足は速度を上げてて、
あいつに触れそうになってる腕を掴む。
俺は目の前の男子数人をバッと押しのけて、
あいつの腕を握って走り出した。
後ろから途中まで追ってきたが、お客さんが多すぎて、こちらに来れなくなっていた。
誰もいなさそうな教室を見つけたので、とりあえずそこに入ることにした。
ぺこっと頭を下げるあいつ。
歌ってる時と全然雰囲気違った。
差し出されたのは、1本のレモンティー。
俺の名前を呟いて、ニコニコとしているあいつがかわいいとか思ってしまった。
こくこくと頷いてるこの子はほんとに、さっきあの舞台で歌っていたやつと同一人物なのか、疑い始めた。
これがこいつとの出会い。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。