今日は初出勤だった。
社長に挨拶をして、太宰さんについてもらって
国木田さんに仕事を教えてもらった。
一日終わると疲れて家に着くとあっという間に
寝てしまっていた。
早く寝たせいか夜中に目が覚めてしまった。
そこには見たことのない世界が広がっていた。
まるで戦争の後のように荒れ果てた荒野に
いたのだった。
そう助けを求めてもいつまでたっても
答えは返ってこなかった
急に目の前の世界が崩れ落ちて行った。
私は恐怖と安堵で泣き出してしまった。
そう言って太宰さんは両手を広げて私の方に向けた。
私は構わず太宰さんの胸に飛び込んだ。
…
私は恥ずかしくて太宰さんから
離れようとしたけど、
太宰さんが私を強く抱きしめていてくれたから
なんだか心地良くてとても嬉しかった。
その日から、私は太宰さんとお付き合いを始めました。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。