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第1話

ヘタリア本編 アメリカと青い花
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2021/01/23 04:17
一度目の出会い。 
幼い頃のアメリカはある日、草原で一人の少年に出会う。
そばかすを頬に持った少年は自分を「Davie」と名乗った。

彼の家に案内されたアメリカは、そこで図鑑のような本を見せてもらう。
その中には青い花が載っており、二人はその花の話で夜まで盛り上がる。
アメリカは、今度その花を持ってくると言って、彼の家から帰ったのだった。


二度目の出会い。
アメリカはほんの少し成長した姿で花を探していた。
あれから一生懸命探していたようだが、結局青い花は見つからない。
仕方がなく、その事を報告しようと少し豪華になったDavieの家へ向かう。

そこにいた彼は成長してアメリカよりも大きな青年になっていた。
アメリカは笑顔でDavieに話しかけるが、彼は少年のままであるアメリカのことが分からなかったらしい。
Davieは、別の人と話しながら家の奥へ立ち去っていく。
アメリカは、自分が花を持って来なかったから話してもらえないと勘違いし、どうしても青い花を見つけなければと考える。


三度目の出会い。
どうしても花が見つけられないアメリカは、イギリスに青い花に付いて尋ねる。
するとイギリスは、その青い花が自分のイギリス本国にあることを教え、今度持って来てやる、とアメリカに言った。

喜んだアメリカはそのことを伝えるためにDavieのもとを訪れる。Davieの家は更に大きくなっていた。
柵から呼び掛けるアメリカだが、そこにいたDavieは中年のおじさんになっており、奥さんを傍らに、娘に本を読み聞かせているところだった。
あれからほとんど姿の変わらない少年アメリカ。当然、彼は分からず、娘にお前の友達か?と尋ねる始末。
アメリカは青い花の話をするが、それでも彼は分からない。
お父さんとお母さんはどうしたのかと優しく聞いてくるDavieに、アメリカは戸惑い、とぼとぼと帰って行った。


四度目の出会い。
落ち込み、拗ねていたアメリカの元へイギリスがやってきた。
浮かない表情のアメリカに、イギリスは青い花束を渡す。とうとう約束の青い花を持って来たのだ。
アメリカは歓喜し、やっとの思いで青い花を手に入れたのだと、Davieのもとを訪ねる。

すると、そこにはあの時自分が出会った、青年でもなく、大人のおじさんでもないDavieが!!
ずっと探していたDavieを見つけられた少年アメリカは、笑顔で彼に青い花を渡す。

しかし…

そう、その少年はDavieではなかった。
Davieの幼い頃にそっくりな、おそらく彼の孫であろう少年は、暗い表情で花束を受け取ると、それを黙って棺の中へ投げ入れた。

棺の中には、安らかに眠る老人が……

人が、子供の頃からその一生を終えるまでの長い時間の間でも、アメリカの姿はほとんど変わらない小さな子供のままだった。
アメリカは戸惑いつつも、目の前の少年をDavieと疑えず、棺の中から取り出した青い花を彼に差し出す。

Davie

アメリカ「? Davie?」

少年は、何も答えないままだった。

幼いアメリカが、きっと初めて体験したであろう、人と国のどうにもならない違いは、残酷なものだった。




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〜より。

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