……なんだ、この状況は。
「あ、あの……ご、ごめんなさいごめんなさいっ」
あなた「うぁっ」
や、やめ……。
半泣き状態のライヴィスさん。
今、押し倒されてます。
あなた「え、ちょ?やめて…」
言いつつ、頬は熱い。
当然だ、意中の相手から明らかなお誘いが来ているのだから。
ただ、今の今まで片思いだと思っていただけに乗りきれず……。
あなた「あの、ライヴィスさん」
「そんなに…嫌ですか……?」
あなた「え……」
「…いえ、なんでも」
まさか。
まさかね、とか期待してしまう。
ライヴィスさんにも想われているのだろうか。
とか。
「…い、」
あなた「?」
「イヴァンさん…が、や、やれ…って……あ、あの、言われて…」
おろおろと涙目で言う。
体温がすっと下がる感覚を明確に感じた。
あなた「……は」
「ごっ、ごめんなさいっっ」
あなた「謝るくらいなら…」
………最初から、そんな思わせ振りなことしないで。
言葉を飲み込んで、歯を食い縛りながらライヴィスさんを見た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!