第3話

嘘つき「ライヴィス」①
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2021/01/23 04:52
……なんだ、この状況は。


「あ、あの……ご、ごめんなさいごめんなさいっ」

あなた「うぁっ」

や、やめ……。


半泣き状態のライヴィスさん。


今、押し倒されてます。


あなた「え、ちょ?やめて…」


言いつつ、頬は熱い。


当然だ、意中の相手から明らかなお誘いが来ているのだから。

ただ、今の今まで片思いだと思っていただけに乗りきれず……。


あなた「あの、ライヴィスさん」

「そんなに…嫌ですか……?」

あなた「え……」

「…いえ、なんでも」


まさか。


まさかね、とか期待してしまう。


ライヴィスさんにも想われているのだろうか。


とか。


「…い、」

あなた「?」

「イヴァンさん…が、や、やれ…って……あ、あの、言われて…」


おろおろと涙目で言う。


体温がすっと下がる感覚を明確に感じた。


あなた「……は」

「ごっ、ごめんなさいっっ」


あなた「謝るくらいなら…」


………最初から、そんな思わせ振りなことしないで。


言葉を飲み込んで、歯を食い縛りながらライヴィスさんを見た。

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