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第1話

出会い
16
2018/01/20 02:40
これはわたしと彼に訪れた人生で一番濃い三年間の物語。

私は、学校で静かな方だったと思う。友達が多いわけでもなく、男子に人気があった訳でもない。でも私が彼に告白されたのはなぜだったのか。今は、彼に聞くことはできないけど、彼と過ごせた時間はかけがえのないものになった。

私は、カフェで一人で勉強するのが好きだった。あの日も一人でカフェで勉強していた。お気に入りのテラス席でお気に入りのマシュマロココアを飲みながら。
泉 はるか
(あとすこしで課題終わる。そろそろ帰ろうかな。)
そんなことを思って、少しぼーっとしていた。
月野 柊
あの、好きです!?
急に男の人から後ろから声をかけてきた。いや、告白された?
泉 はるか
はい?
思わず声を出してしまった。私にかけられた声ではなかったかもしれないのに。
月野 柊
すみません、あなたみたいな綺麗な人始めてみて。一目惚れっていうですかね笑
明らかに初対面の人にこんなことを言ってくるなんておかしいと思った。しかし、彼は笑って微笑んだ。彼の太陽のような輝く笑顔。不思議なのに初対面なのに私は、
泉 はるか
なんでか分からないけど、私もあなたに一目惚れしたみたい。
変なことを言ってしまった。今思うと、あの時の私はどうかしていたんじゃないかと思う。
月野 柊
え、ほんと?こんなことってあるんだな。
彼はまたはにかむ。私たちはそこから2時間ほどカフェで喋っていた。気づいたら辺りは真っ暗で星が空に出ていた。外に出ると、息が白かった。
月野 柊
こんな暗くなるまで付き合わせてごめんな。送っていくよ。
彼は優しかった。最近の男子にしては珍しいと思った。そこに惹かれていたのかもしれない。
泉 はるか
ありがとう。こんなに一緒にいて楽しいと思ったの初めて。
彼といると心が安らかに落ち着けた。
私たちは地味だったかもしれない。二人とも服がダサいとかそういうのではなくて、映画館やショッピングも普通にする二人だけの時間。幸せだった。気づいたら彼といる時間は半年たっていた。

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