翌日、昨日の大きな出来事など頭からすっかり抜けている状態で学校へ向かう。
英語の授業の単語テストに出る単語を反復しながら登校していると…
『何してんの?』
後ろから肩を叩かれる。
振り向くと、真後ろに的場くんがいた。
…そうだった、昨日的場くんに告白されたんだった。
どっちにしても邪魔されてることになるけど…
的場くんの顔が真っ青になる。
顔色は変わるけど、表情はあまり変わらない。
なんという不運な…
的場くんが顔を上げる。
そんな風に思われてたんだ。
的場くんが柔らかく笑う。
私は大丈夫なのに…
英語の授業が終わり、的場くんの周りに的場くんと仲のいい男子数人が集まる。
的場くんが、一瞬私の方を見た。
噂好きなクラスの女子が、的場くんに話しかける。
的場くんが即座に否定する。
的場くんが私を見る。
クラスメイトが次々と私に寄ってくる。
どうすればいいのか分からず、とっさに的場くんの方を見る。
…と、的場くんが笑顔で私に向かってピースする。
…もしかして、私がクラスのみんなと打ち解けられるように…?
誰かと仲良くなるってこんなに楽しいことだったんだな…
…でも、的場くんが私に告白したことを隠したのはどうしてかな…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。