放課後、瀬戸くんと一緒に学校の図書室に来た。
今日はテスト期間中なので、いつもより沢山の生徒が来て、勉強している。
初めて来る人はなかなか気づかない、奥の机のある部屋に案内する。
私はいつも、テスト期間に入るとこの図書室の奥の部屋で勉強をする。
そして、私達は順調に勉強を進めた。
思わず、手で顔を隠す。
きっとこのままだと涙を流してしまう。
その時…
ふわっ、と頭に温かい感触を感じる。
瀬戸くんが私の頭を優しく撫でてくれる。
瀬戸くんが優しく微笑む。
そして、週末。
的場くんのお家でみんなで勉強する…予定だったんだけど…
目の前にそびえ立つ、真っ白で清潔感溢れる大きな建物は、まさに『豪邸』と呼ぶに相応しい大きさだ。
確かに、的場くんの言う通り、思っていたより普通だった(明らかに広いけど)。
召使いのような人は見当たらないし、身近にあるようなメーカーの家電も沢山ある(サイズが桁違いだけど)。
そして、階段を上って3階に着いた時、的場くんの足が止まった。
的場くんが慣れた動きで階段を駆け下りていき、私は的場くんのお部屋に入った。
…きっとみんな、本当は私達が本当に仲直りするためにこんな機会を作ってくれたんだよね。
…その期待に応えられるように、頑張らなきゃ。
私は、拳を強く握った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。