時計を見ると、9時を回った頃だった。
お店を後に、そとへ行く。
首をかしげられ、流石に承諾してしまった。
店から私家は約20分。
いつもなら大好きなアーティストの曲を聞いて帰るのに…
隣に暗くてあんま見えないけど、
そ、そういうのさらっと言うか~
最近の私はおかしい。
好き…とか知らないし。
なのに、イケメンの裏性格は、怒りっぽいけど好きな相手には優しかったり。
やっぱりいいやつ。
認めたくないけど。
立ち止まり、真面目な顔で見つめてくる。
あ、自覚あったの。
ならもうきずいたら直してほしかったなぁw
な、何いってんだ私っ!!
でも…事実。な…のかな…
何なんだ、この…
胸がぎゅっとなるのは。
ぎゅっと抱きしめら…
はぁぁぁぁ!?
本当にコイツは心臓が持たないことをする。
うわぁぁぁ…もうほんと勘弁…!
しぶしぶ、本当にしぶしぶ、離れてくれる。
髪をふわりとなびかせながら、手を振ってくれる。
私は、手を降りかえす気なんてないけど、
し、仕方ないなぁ…
そう、軽く自分に言い聞かせ、後ろを向いて手を振る。
ちょっとカッコつけすぎかな。
でも、たぶん赤沢くんは見えてないかもしれないけど。
いや、見えてない事を願う。
さっきのハグで、私は、顔が真っ赤だよ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。