そこには、ゆあん君とうりが居た。
うりは私の目の前で男性の拳を片手で受け止め、ゆあん君は私の前に片手を広げ、私を守る体制だった。
そう言ってうりが男性の拳を横に払う。
そう男性が舌打ちすると、ゆあん君が私の両肩を
〈ポンッ〉っと叩いて、
そう言って男性にニコッと笑顔を投げかける。
だが、そう男性が偉そうに鼻で笑うと、一瞬でゆあん君の表情が怖くなった。
さっきよりも低い声で、男性に詰め寄りながら言い放った。
ゆあん君にそう言われ、男性はそそくさと去っていった。
男性の姿が見えなくなった瞬間、安心して気が抜けたのか、足の力が抜けて私はその場で足から崩れ落ちてしまった。
その瞬間、二人が私のところに駆け寄ってくる。
ペタンと座ったまま、駆け寄って来てくれた二人にお礼を言う。
そう言って心配そうに私の頭を撫でるゆあん君。
ホッと安心したように私の背中をさするうり。
二人の優しさに甘えて、泣いてしまいそうになるけど、グッとこらえる。
泣いてしまう代わりに、二人には笑顔を見せた。
それを確認した二人は、もう大丈夫だと分かったのか、嘘だと思ったのかは分からない。でも、
そう言ってスっと立ち上がり、私に手を差し出してくれた。
その手を取り、立ち上がると、二人が荷物を持ってくれた。
そう言って、私達は家に帰る。
夜の街、私たちのまわりには、人の姿は見えない。
そんな静かな道を、うりとゆあん君に挟まれて歩く。
すると、ゆあん君が横からひょこっと顔を覗いてきた。
そう言って私の頭をまた撫でる。
そう言ってうりも顔を覗いてくる。
クスクスと笑いながら返事をする。
すると、ゆあん君もうりもしかめっ面をして
と、叱られてしまった。
心配してくれたんだな...と、嬉しさと申し訳なさが込み上げてきた。
改めて言ったので戸惑ったのか、二人は、少しポカンとした後、微笑んでから
と言ってくれた。
それから三人で喋りながら私達は家に帰り着いた。
✄------キリトリ------✄
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!