前の話
一覧へ
土曜日の朝。妙に喉に違和感があって、私は起きた。
咳をすると、喉がヒリヒリと痛む。
水でも飲もうかと、ベッドから何故か重い体をおこす。
寝転んでいた時は分からなかった、酷い頭痛、だるさ。
足取りもおぼつかない中、1階に続く階段を降りようとする。
手すりを持っておけばよかった。誰かが呼ぶ声に振り向きはしなかったが、中途半端に止まった足のせいで、体勢を崩した。
結構な高い階段から落ちそうになる。でも、グイッと後ろに引かれた。
もふくんが私を抱き寄せただけで熱いと言うのだから、それほどまでに私は酷い風邪をひいているのだろう。
何故か体が浮いた気がした。…………あれ、姫様抱きされてる。
抵抗しようにも、体に力が入らないし、そんな気力も無い。
ボスっと音を立てて、私は自分のベッドに寝かされた。
どこから持ってきたのか分からない体温計を起動させながら、容態を聞かれる。
その後、体温計を渡され、体温を測った。
私の体温は40.1度。もふくんが自分の体温も測って体温計が壊れてないか確認する。
ベッドに寝かされている私に、中腰になって言ってくれる。
それを聞いて、もふくんは私の頭をポンッと一回撫でてから、部屋を出た。
その後、ドアの奥からタタタッと足音がした。
コンコンっと音を立てると同時に、のあさんとえとさん、るなちゃんが入ってくる。
水と手拭いを持ってきたらしい。
その後、体を拭いてもらってから、違う寝間着に着替えた。
そう言ってコップを渡される。……そう言えば、さっき飲見に行こうとして落ちそうになったんだっけ
その水をゴクッと飲み干す。
そう言ってスマホを真横に置かれる。
るなちゃんがそう言うのを見て、私は咳混じりに笑ってしまった。
そう言うと、三人は部屋を出ていった。
静かになった部屋で、私は眠りについた。
NEXT→
✄------キリトリ------✄
閲覧ありがとうございました✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。