うりside
俺が、徹夜明けのあなたの横でスマホをいじっていると、彼女の頭が、カクンッ...と何度か落ちていた。
徹夜明けで、凄く眠いんだろうな...そう思いながら、彼女を見ると、もうすぐで寝てしまいそうな顔をしている。
そう思った時だった。彼女の体が、こちらに倒れて来た。
そう言って彼女の飲みかけのハーブティーが入ったティーカップを咄嗟にとる。
ポスッ...と音がして、横を見ると、彼女が俺の肩にもたれかかって寝ていた。
案の定寝落ちしたか。横に居といて良かった。とかいう思考より、彼女が俺の肩にもたれかかって寝ているという状況に、戸惑いを隠せなかった。
彼女を起こさないように、ティーカップをローテーブルの上に置く。
そう少し小声で言いながら、彼女の肩を優しく叩く。
でも、起きる気配は無い。本当に疲れていたんだろうな...と思いながら、その手で頭を撫でた。
そう言いながら、彼女の頬をつついてみる。
少し反応はしたが、やはり起きる気配は無い。
やはりこのままソファで寝させることは出来ない。徹夜明けで疲れているから、余計ベッドで寝かせたい。
というかこんな至近距離で寝られてもう心臓が持たない...
そう思って、彼女の肩を持って背もたれに体を預けさせ、立ち上がる。
そう呟いて、彼女の体をお姫様抱っこのような形で抱き上げる。
幸い、彼女は起きること無く、幸せそうな顔で寝息を立てていた。
彼女のあまりの軽さに、思わず声を漏らしてしまった。
それから、彼女の部屋まで彼女を運び、ベッドに寝かしつけた。
そう言って彼女の頭を撫で、俺はリビングへ戻った。
✄------キリトリ------✄
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。