……暑い。
……語尾「ね」で揃えるのやめい。
リビングのローテーブルにぐでぇ……っと伸びている私を、三人が見てくる。
そう言われた瞬間、びっくりしてガバッと起きる。
隣で三人も肩を跳ね上がらせた。
私がそう言うのも構わず、えとさんが「はい準備してー」と私を部屋まで押してくる。
そう言うと、えとさんが一時停止する。
そう言うも、えとさんはグイグイと「いいから」と押してくる。
もう着せ替え人形はごめんなんだけど…?
それから嫌々準備をして玄関に向かった。
三人は玄関前で待ち構えていた。
暑い日差しの中、店に向かって歩く。
やはり蝉が五月蝿い。
蝉と暑さにうんざりしながら店内に入ると、定員さんが早速来た。暇か。
……こういう店員嫌い。
すると、のあさんが私の肩を掴んで前にやる。
バッと後ろを振り返ると、のあさんは苦笑いする。
店員は明らかに目を輝かせる。
のあさんの両手から逃れてえとさんの後ろに隠れる。
えとさんは呆れたような笑みを浮かべて、私の頭をポンっと撫でた。
残念そうな顔をして、のあさんが私の手を引く。
そう言ってのあさんが振り返りざまに見せてきたのはオフショルダーのフリルの付いた水着。
怖い、のあさん怖い。
そう言うえとさんの手にはワンピースのような水着がある。
手に持っている水着をクイッと上げながら言う。
それと同時にのあさんの持っている水着を指差して「こっちは流石に嫌でしょ?w」と笑いながら言う。
そう言うと、のあさんの頬が膨れる。
私が試しに言うと、のあさんは目を輝かせた。
そう言いながら、のあさんは楽しそうにラッシュガードを選んでいた。
✄------キリトリ------✄
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!