とある暑い日の放課後。
今でもからぴちの誰かが迎えに来る中、こんな猛暑がこの頃ずっと続いている。
今日は誰だろう。
そう毎日のように少し楽しみに思っている自分がいる。
毎日恒例、女子が群がっている。
今日は男子かな。
すると、いつもとは少し違うようで、女子たちが一人ずつはけて行く。
女子たちに避けて貰って、中央まで行くと、ゆあんくんが居た。
いつもの赤いニットは着てはいるものの、流石に上着は着ていない。
思いっきり柱に持たれかかってシャツをパタパタと引っ張っている。
そう言って苦笑いすると、意識が朦朧としているのか、こっちに倒れかかってきた。
もたれかかって来て、ちょっと重い。
持っていた二本のペットボトルのうち、一本をゆあんくんの首にあてる。
そう言ってゆあんくんがあげたペットボトルの蓋を開けて、お茶を飲み出す。
それからふとゆあんくんの足下を見ると、大量の紙袋とペットボトルが置いてあった。
私がそう言うと、ゆあんくんも飲むのをやめて下を向く。
とても驚いた顔をして、ゆあんくんがそう言う。
すると、女子高生が三人ほどゆあんくんの足下に紙袋を置いていった。
あー…原因あの女子たちか。
二人でそう言って笑いながら、置かれていった紙袋の中身を確認する。
これらが入った紙袋が、無数にあった。
でしょうね。
私がそう言うと、ゆあんくんが「何か?」とでも言いたそうな顔で見てくる。
それを聞くと、ゆあんくんがギョッとした顔をする。
そうゆあんくんが今までに無いくらい顔を暗くして、気疲れしたように言った瞬間、
バレンタインデーには絶対みんなを迎えにこさせまいと思った。
✄------キリトリ------✄
閲覧ありがとうございました✿゚❀.(*´▽`*)❀.゚✿
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。