ムキムキマッチョ事件から数週間後、とある島に着いたのだがそこで最悪な情報が入る。
「なに?どうしたの、みんなピリピリしちゃって」
「あ、あなたか…いや島に着いたろ?」
「うん降りようと思って」
「今回ばかりは止めとけ!!もしくはキャプテンと一緒にいけ!」
なんで?と聞けば、どうやら島の向かい側で海賊船が停泊しているそうで、それがローと犬猿の仲のユースタス・キッドの海賊船だそうだ。
「なるほど~それでみんなピリピリしてんのね」
「まぁな、キャプテンが1番ピリピリして不機嫌だから怖いけどな」
とにかく食料の補給などもしなくてはいけないため、ロー、私、ペンギン、キャスというチームが組まれ、それ以外は船番となった。
「いいか、今回は島に長居はしねえ。補給が終わりログが溜まり次第出航する。」
「「「アイアイキャプテン」」」
「と、いうことで今回は金の配給は無しだ。」
「「えええーー!!」」
「…なんだ、うるさいぞ騒ぐなキャス、あなた。」
うるさいと言われようが出来れば引き下がりたくない。なぜなら、
「だって、今回逃したら次上陸するのいつ?」
「1ヶ月後だな」
「ただでさえ研究材料足りないのに1ヶ月後!?そんなに待てないわ!」
「俺も女買いたいっす!!」
「キャス最低」
ローに抱きついてお願いだから!と言えば、仕方ねぇなぁ。と自分が付いていくという条件で研究材料を買ってもらえる事になった。
「キャプテン!俺は!?俺のお小遣いは!?」
「知るか」
「ずるいずるいーー!!あなたばっかりー!」
「ROOM」
「ッギャーーーース!!!」
キャスがバラバラにされ、放置して買い物に行こうとした瞬間だった。
「オイオイ新しい女かァ?トラファルガー」
「わ!?」
「あなた!?」
低い声が聞こえたかと思えば、オートメイルである右足がグンッと引っ張られ宙に浮き、誰かに捕まった。
「俺の能力で吸い寄せられる女か、面白ェなァ?」
「ッユースタス屋ァ…!!!」
「なになに?!何が起きてんの?これ!」
どうやらこの私の足を掴んでいる男と、キャプテンは知り合いのようだが、仲が悪いのか今にも戦闘が起きそうである。
「鋼の足の女か、イイの連れてやがる」
「いいからその手離せ」
「なんだ?お前本気なのか、こいつに?」
相当イイのか?といいながら私の足を下から上へと撫で上げる。
「っひ、ちょっ…と!!触んないでよ!」
「ユースタス屋テメェッ…!!」
私を掴んでる為、下手に動けないのかロー達は歯痒そうに眉をひそめる。
「いい加減に、しなさいよッ…!!」
ガツンッ!!!
「ぅぐっ!?」
「キッド!?!」
そんなに鋼の足が好きならその足で蹴ってあげるわよ、とキッドを蹴り飛ばした。
「あなた!」
「ロー、ごめんね」
心配そうに駆け寄ってきたローに抱きつく。
「オイオイ、良い雰囲気出してんじゃねぇよ」
「!うっそ、結構な力で蹴り飛ばしたのに…
無傷!?」
ただでさえオートメイルの足は蹴るだけで結構なダメージを与える。それに加えて私は軍人なのでそこらの女よりは強いのは自覚していたが…
「あれだけの力で蹴り飛ばして無傷だったのは(こっちに来て)初めてだわ」
「なんだ、ソッチが上手いのかと思ったが戦闘員か…結構出来そうだな?」
当たり前、女だからと舐めてもらっちゃ困るわ。と臨戦態勢を取れば、横から腰を抱かれて持ち上げられた。
「ひえっ?!ロー!?」
「どっちも、だユースタス屋」
「!ヘェ、良いの持ってんじゃねぇか貸せよトラファルガー」
グッと抱く力が強まり、やだね。とローが言ったかと思えば関を切ったかのように、凄まじい戦闘が始まる。
「"反動"」
「"ROOM"」
「「うぎゃぁあああ!!!!」」
2人して能力を発動するものだから、双方のクルーが被害を受ける。
「きゃぁああっ!!ちょっ、ちょっと引っ張んないでよ!!」
「あぁ?おもしれェじゃねーか」
「今すぐそのふざけた能力を止めろユースタス屋!」
ローに担がれた私の足を能力で引っ張っているユースタス。
必然的にローも引っ張られるのだが、そこはさすがと言うべきか前へ前へと能力を駆使して進んでいく。
しかしそこへ突如爆風が起きる。
「あわっ!?」
「っあなた!」
爆風が吹いたことで、ローの手が離れ空中に身体が投げ出される。
体勢を整えようとしたがそれよりも早くガッシリとした腕に拾われた。
「こりゃ良い風じゃねぇか、欲しいもんが降ってきやがった。」
「!!…なっ、」
「あ?どうした?抵抗すんのはやめたのか?」
降ってきた私を拾ったユースタスは、抵抗を止めた私を不思議そうに抱え直した。
「なんって…!!良い体してんの!!!!」
「あ!?!?」
「あなた!?!」
拾われた瞬間、丁度鍛え上げられたユースタスの胸筋に当たった私は、思わず抵抗を止めて触りだした。
ロー達も筋肉は勿論あるが、細マッチョなので筋肉フェチとしては無しである。
「はわぁ~!!これよこれ~!!」
「お、おい!?」
つんつん、むにむに。
と遊んでいたが、あなた。と地を這う様なローの声に正気に戻る。
「彼氏の前で他の男に抱き付くたァ、どういうつもりだ?」
「あっ、ご、ごめんなさい、つい」
思わずサッと青ざめてローの元へ戻れば、ついじゃねーよ!!バカ!!とキャスとペンギンにキレられた。
キャスめ、後でシメる。
(なんで俺だけ!?)
「なんだ?もういいのか?触ってもいいんだぜ?」
「えっ(じゅるり」
「あなた(怒」
ゴメンナサイ。とローに謝ってから、ユースタスにじゃあね、と言って船に向かって逃げ始めると、おい!!と言って能力を使って私を引き寄せようとする。
「おっと」
バチチチッ!!
「ぶわ!!?」
「どう?ステキでしょ、私の少佐は。」
"ソレ"が金属を寄せる事を解って、両手を合わせて近くにあった金属をツゥ、と触るとグニャリと変形し、かつてのファンだった男性を描いたそれは私の足よりも先にユースタスに飛んで行ったことで、思わず能力を止めるユースタス。
「使うなって言ったろ」
「仕方ないでしょ、それより今の錬成の仕方いいと思わない?」
色気あるでしょ♡と言えば、あるある~!と言うキャスと共に、馬鹿が。と怒られた。
「おい無視すんなコラァ!!女!」
「女じゃなくて、あなたよ。また何処かでね、ユースタス」
「!ユースタスじゃねぇ、キッドだ…!」
「ふふ、はいはいキッド。またね」
男ってほんと子供ね。と言って笑っていると、ユースタス屋とイチャつきやがってと、低い声が耳元で聞こえた。
「やだ、嫉妬?」
「お前な…、気が変わった
今日はたっぷり愛してやるよ」
「え」
明日動けなくなるくらいにな。と付け足された言葉に、体に絡んだ腕を解こうとするが、それは無理な話でそのまま抱えられて船に戻ることになった。
「キャス!!ペンギン!!」
「「頑張れ!!」」
「このっ、
裏切り者ーーーーー!!!」
後日、船の中で筋肉誰が1番でしょう対決が行われたが…
「ふんっ!」
「むんっ!」
「おりゃー!」
男とはバカなもので、上半身裸になりそれぞれポーズをとる。上からペンギン、ベポ、キャスだが…まぁベポはオマケみたいなものだ。
「20点(しれっ」
「ハァア!?20点!?なんでだよ!?」
「もちろん30点満点とかだよな?」
「筋肉なめんな100点満点中だよ」
ハァア!?納得いかねー!!と騒ぎ立てる3人
「じゃあせめてキャプテンは結構上だろ?」
「うーん…ローは、4…いや、30点かな」
なんでだよ!?仮にも彼氏だぞ!?と言ったキャスに、ローが仮じゃなくても彼氏だ。とキレる。
「じゃあやっぱ満点はユースタスか?」
「ああ~…キッドはそうね、…80点かな」
「ユースタスですら!?満点はどんなやつだよ!?あ、あの少佐か!?」
確かにあの筋肉はすげえよな~というペンギンに、少佐は90点かな!と言えば満点はないのか!と言うので
「満点はこれから来るべき未来の素晴らしい筋肉に捧げるの♡」
という私を見て、いやあの少佐以上のは中々現れんだろ…とペンギンは思ったそうな。
※管理人は別に筋肉フェチという訳ではないので、筋肉フェチのなんたるかはわからないです
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!