マングローブに、浮かぶ大きな泡
シャボンディ諸島に着いたが、どうやらルーキーはまだそんなに来ていないようで、平穏…でもないが静かな時間が流れていた
「はー…すごいわね、ほんと科学者の血が騒ぐわ…」
「お前、シャボンディ諸島に残るとか言うなよ?キャプテンの気が狂う」
「言わないわよ」
浮かぶ泡や、ボンチャリ、飛ぶトビウオの乗り物…生きてるのか?あれ
それはアメストリスには無かった物で、科学者の私は非常に興味を示すが、そこは流石に弁えている。
興味を示すだけで此処に残ろうとは思わない。
「だから、ボンチャリ買って」
「はぁ?やめとけやめとけ、あれはぼったくりもいいとこで、泡のあるここの気候でしか使えねーよ。」
「ええええー、そうなの?解剖しようと思ったのに」
「めっちゃ興味惹かれてんじゃん!!!」
そんな事を話しながら偵察である私とキャスは島を散策していたが、特に問題は無かったので、船に戻りローに報告した。
「ってことなんで、コーティングを頼むなら絶好の機会かな」
「わかった、他の奴らが来る前にコーティングを頼むとしよう。」
「ところでキャプテン!あなたが島の物にすっげー興味持ってて、今にも解明したそうにウズウズしてました!」
この島に残るとか言い出しそうですよ。などと余計な事をキャスが口走ったせいで、ローから疑いの目が向けられるが、残るなんて考えがないのは本当だ。
「あら、疑うの?」
「…そういうわけじゃねぇが、」
「大丈夫よ、ローを置いていくわけないでしょう?」
「っ…あぁ、そうだな」
「あまーーーーーーい!!!!キャプテン、あなたに甘すぎですよ!!」
ローを慰めれば、キャスが俺の前でイチャイチャしないでください!と吠えた。
「とりあえず、今からコーティングの話をしにいく!コーティングが終わり次第、出航するが…面倒起こすんじゃねぇぞ」
「「アイアイ!キャプテン!」」
ローに口を揃えてそう言えば、よし。と呟き、ペンギンとベポを連れてコーティングへ行った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!