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第9話

昔の記憶
「…やっぱ、家まで送ってくよ、うんっ!」


「え?」


なにか1人で納得してるみたい…


「だって、俺と別れたあとになんかあったらほんとに困るし!」


ね?と先輩が首を傾げる。


「は、はい…じゃあ、お願いします…」


まぁ、その方が私も安心かな…


よかった、今一気に不安になってて、自分から家まで送ってください、なんて言えなかったし…


やっぱ先輩、優しいというか、いい意味でお人好しっていうか…


「あなたちゃんって、彼氏とかいるの?」


「へっ!?」


あまりにも唐突で考えもしない言葉だったから変な声が出ちゃった。


「いないですよっ

…てか、最近別れたばっかりで…」


思い出すだけでイライラするわ、冬弥のあの態度。


「そうなんだー…

じゃあ、好きな人とか」


「いないですっ

そんな早く切り替えられませんよ〜」


…まぁ、正確に言うとちょっと違うんだけど。


冬弥への気持ちなんて、直ぐになくなった。


情すら湧いてこない。


だけど…


当分恋は…


「じゃ、俺立候補しようかな」


「…え?」


…なんの話…?


「あなたちゃんの、彼氏候補っ」


「えぇ!?」


な、何言ってんのこの人…


「…なんてね、冗談っ」


な、なんだ…


「もー、ビックリさせないでくださいよ〜…」


冗談か…


「っ」


ぐ、と喉が詰まる感覚。



冗談…


ー冗談だよ


…っ。


ーんなわけないでしょ、冗談だよ


やめて…


思い出さないで…


ー…とでも言って欲しかったの?


ー誰がお前なんか…


「ちゃん!!

あなたちゃんっ!?」


「へっ…」


…な、なに…



「大丈夫!?

顔真っ青だけど…」


「あ…」


我に返ると、息遣いが荒く、汗をかいていた。


…まただ…


もう忘れたいのに…


「ごめんなさい、大丈夫です…」


「大丈夫って顔、してないけど…?」


心配そうに顔を覗く尾白先輩。


「大丈夫です…

あ、家ここなんで…。

すみません、わざわざ送って貰っちゃって。」


「いや…俺は別にいいけど…

お大事にね?」


「はい、ありがとうございましたっ…」


家に入って、リビングにいるお母さんに声をかけてすぐ部屋に上がった。


あーもー…っ


ベッドに仰向けに寝転がる。


「こんな記憶なくなればいいのに。」