第6話

タピオカ
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2019/04/18 01:11
「へぇ〜…そーなんだ…」


先輩は大和を見たあと私にニコッと微笑んだ。


今、一瞬先輩の目が冷たかったような…?


「社研って、もしかしてあの世界史の先生?」


「そうです」


あの、で伝わってしまうあたり…。


「あー、よく生徒こき使うよね〜…」


「そうなんですよね〜」


プリントとか、授業始まる時に持ってくればいいのに。


「おい、行くぞ。」


「え、あ…うん…」


大和が私の手を引く。


「そうだね、遅くなると先生に怒られちゃうかもね、ごめん引き止めて。」


「あ、いえ…大丈夫です」


「じゃあまた放課後ね。」


「はいっ」


先輩と別れてまた大和と2人、社研に向かう。


「…また放課後って、なんかあんの?」


少しの沈黙の後、大和が口を開いた。


「え?

あぁ、バイトだけど?」


今日は…シフトかぶってたっけ?


「バイトの先輩?」


「うん。

尾白おじろ直樹なおき先輩。

バレー部のキャプテンだよ。」


先輩とはバイト先で知り合って、同じ学校だって知った時はびっくりした。


「あれ?知らなかった?

去年の新人戦の壮行会でもスピーチとかしてたけど。」


「あー…あの人が…

いや、なんかステージの下から見てんのと目の前で話してんので違う感じした。」


まぁ、そんな関わることも無いもんね。


「それになんか、怖くね?」


「そうかな?

優しい先輩だよ?」


確かに、さっき闇が見えたような気もしたけど。


「それに…」


「ん?」


大和は私をちらっと見て、天井に視線を上げた。


「やっぱ、なんでもない。」


「??」


なんなんだ…





「やっと帰れるー!」


「あれ、真美今日部活は?」


「なんでか知らないけどオフになった!」


なんでか知らないって…


「あなたは?

休みっしょ?」


「それがさー、今日は臨時でシフト入っちゃってさ〜…」


今日はシフト入れてなかったのに、急に一昨日、店長から電話かかってきて…。


「えー残念!

駅前に最近できたタピオカ飲みに行こうと思ったのに…」


え、タピオカ?


めっちゃ好きなんですけど。


行きたい…


「あー、まぁ、シフトも遅い時間だし、今からすぐなら多分大丈夫。」


「お!

じゃあ行こー」


よっしゃ!

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