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第15話

最初の不安
…なんで。


遥斗先輩が…


こんな所にっ…


「…あー、あなた?」


「っ」


ニヤッと笑う口元。


その冷酷な目つき、変わってない。


名前なんて、呼ばないで。


「久しぶり、よく分かったじゃん。」


はっと嘲笑するかのような不気味な笑顔に私は居心地の悪さを感じた。


ドクン、と嫌な心臓音が響く。


「おーい、聞いてる?」


「あ…いや…あの、失礼致します。」


私はそれだけ言って立ち去ろうとした。


しかしそれも叶わず、ぐっと腕を引っ張られる。


「答えになってねーけど?」


「も、もう…絡んでこないでくださいっ…」


「いや、先に名前呼んだのそっちだし?

相変わらずバカな奴だなぁ?」


っ…


怖い…


別にただ話すだけじゃ怖いこともないはずなのに。


喉が締められているように苦しい。


蘇る。


あの時の記憶。





「好き、なんだけど。」


そう渋谷しぶたに遥斗はると先輩に言われたのは小5の夏だった。


委員会がおなじで、よく話していた私たちは共通の趣味を持っていて意気投合して、よく遊びに行ったりもしていた。


告白されたのは、そのお出かけの帰りだった。


付き合えたらいいな、なんて考えていた私にとって、先輩からの告白はこの上なく嬉しかった。


「私も、遥斗先輩のこと好きです!」


興奮し切っていた私は直ぐにそう返して、その日から付き合うことになった。


幸せの絶頂で、デートも何回もした。


「おまたせっ」


はぁ、と息を切らせながら走ってくる遥斗先輩の姿が好きだった。


待たれるより待っている方が好き。


それもあって、待ち合わせの時はなるべく早めに来ていた。


「ごめん、待たせて。

つか、あなた来るの早くねぇ?」


そう言いながら袖をめくって腕時計を確認する。


「まだ20分前なんですけど。

どんだけ早く来てんだよ〜」


「えへへっ

秘密ですっ

待つの好きなんで!」


「変なやつ〜」


先輩はそう言いながら私の頭を撫でた。


それが私の好きな時間だった。


私たちは上手くいっていた。


…と、その頃の私は思っていた。


1ヶ月記念日もデートして、2ヶ月も、その次も、平穏に過ぎていった。


だけど…


「ちょっと、話あるんだけど。」


ある冬の日、知らない女の先輩に呼び出され、私は中庭の一角に連れてこられた。