無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第13話

ヒーロー
フラフラ…って…


風邪だったんだから仕方なくない?


てか、大和に迷惑かけてないし…


むしろ尾白先輩だし…


なんか、勘違いしてない?この子達。


「…あなた先輩には大和先輩がいるのにっ…

二股なんて、最低じゃないですか?」


別の女の子が加えた。


…ん?


大和がいるのに…ってどういうことよ…


二股?


私たち、付き合ってないけど。


てか、


「二股なんてするわけないでしょ。」


私が…


するわけないじゃない…。


「だ、だって昨日、尾白先輩があなた先輩の家に行ったって…

前の日も、一緒に帰ったって、聞きました!」


「そ、れは…」


ただ送ってもらっただけじゃん!


ほんとに体調悪かったし…


「見てた子がいるんですよ!

言い逃れできませんよっ!」


はぁ…なんなの…


「そーね、言い逃れも何も、事実だけど?」


隠そうとも思わないし、いけないことでもない。


根本的に間違ってる、てか勘違いしてるからこういう誤解が生まれるんだよー…


「やっぱり…最低です!

自分でもそうお思いになりませんか!?」


「尾白先輩が好きなら、大和先輩を自由にさせてあげるべきですっ!」


次々に出てくる言葉をいちいち受け止めてられない…。


疲れる…。


「あのさぁ、とりあえずまず言わせてもらうけど、私、大和と付き合ってなんかないから。」


「そんな嘘、通用するわけ…っ」


「付き合ってねーよ、別に。」


低い声が後ろから聞こえたかと思えば、振り返ると大和が立っていた。


「大和先ぱ…っ」


女の子たちが急に青ざめる。


「こいつとはただの幼なじみ。

あなたも俺も言ってんだから、本当に決まってんだろ?」


「す、すみませんでしたっ…」


サッと逃げるように帰っていく女の子たち。


その後ろ姿を見送りながら壁にもたれた。


「なに、最初から聞いてたの?

だったらヒーローの登場遅くない?

もうちょっと早く出てきてくれればよかったのに。」


「うわ、ひでーやつ。

せっかく助けてやったのに。」


ま、助かったのは事実。


「そりゃどーも、感謝してます。」


「もっと敬って。」


「調子に乗るな。」


いつもの変わらない会話に、私たちは顔を見合わせて笑った。


ほら、私たちは親友の距離だっていうのに。


みんな何を勝手に誤解して不安になってるのやら。


私は、はぁ、と深いため息をついた。