第7話

人気者
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2019/04/18 06:44
「んー、うまっ」


40分並んでようやくありつけた。


ここ、まぁまぁ田舎なのに、そんな大行列…


さすが、有名なお店なだけある…


「あなた、なに味それー」


「マンゴー」


「1口飲ませて。」


お互いのタピオカドリンクを交換する。


「あ。」


「ん?」


大和…?


「いや、男子達もタピオカとか飲むんだーと思って。」


女子に人気なタピオカだけど、大和と数人の男子が列に並んでいるのが見えた。


「あー、夜明くん?

あなたの幼なじみの。」


「そ。

…あれ、真美に話したっけ?」


大和のこと。


「いや?

男子の幼なじみがいるってことは聞いてたし、あなたと夜明くんが一緒に帰ってるとこ何回か見た事あるし…

そうかなーって。」


「え、名推理じゃん。」


さすが真美、推理小説好きなだけある。


「羨ましいですねぇ、カッコイイ幼なじみがいて。」


「は、」


羨ましい?


「え、何そのポカーンて顔。

結構人気なんだよ、夜明くん。」


そなの?


初耳なんだけど。


「1年の頃から有名だったし。

私たち、1年の時は夜明くんとクラス違ったけど、私も名前と顔は知ってたよ。」


えー。


驚き。


なんで??


「あなた、全部リアクションが顔に出てるよ…」


あ、やば。


「明るいし、カッコイイし、運動神経いいし。

もうそれだけあれば人気になるでしょー。」


「え、カッコイイ?

それにアイツ、運動神経いいって言ったって、剣道だけだよ?」


ちっちゃい頃から続けてる剣道。


高校でも剣道部、なんでそんなに一筋になれるのか不思議で仕方ない。


私も一緒に始めたけど、長くは続かなかった。


あんな剣道バカの、どこがいいんだろみんな。


「もー、他人から見たら贅沢すぎるよ?

ラブにはならないの?」


「はっ?」


ラブ?


「そ。

なんか1年の間では夜明くんとあなた、噂になってるみたいだよ。」


え、1年生が?


大和は人気だからだとして、私の存在をなんで認知してるんだ…


てか、


「噂って…?」


「付き合ってるって。」


「はっ!?」


あー、やっぱ一緒に帰ったりしてるからか…


「それに、過激派ではあなたが夜明くんに言い寄ったって。」


「はぁ〜?」


なんなのその誤解!!


私を悪者みたいに言うな!


つか、付き合ってることにするな!


「ま、頑張れ、今後なにかされるかもよ。」


「…なんで私がいらない被害受けなきゃいけないのよ…」


まったく…


いい迷惑。


てか、大和も過激派が出来るほど有名に…


…大したもんですね。

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