第24話

6年前とおなじ
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2019/04/30 00:39
大和がいてくれて、安心できた。


でも…


だからと言って、全てを忘れることが出来たわけじゃない。


このことは、私のトラウマになってしまった。


告白してくれた人たちも沢山いたけど、私のこと本当は好きじゃないんじゃないかって。


遊びのつもりなんじゃないかって。


浮気相手に選ばれたんじゃないかって。


相手を信用しきれない。


付き合っても不安になって、気付けば他に好きな人がいるって振られたり、二股されてたり。


今までこんなことばかりだった。





「おい、黙ってんなよ、なぁ?」


はっと我に返る。


目の前には高校生の遥斗先輩。


重なる。


一緒。


あの時と変わらない。


「やめてくださいっ」


掴まれた腕が痛い。


私のトラウマの元凶。


こんな所で会いたくなかった。


一生会いたくなかったのにっ…!


なんで離してくれないの?


「女の子いじめて何が楽しいの?」


「!」


後ろからする声。


振り返ってみたその先に。


「せ、え…

尾白先輩!?」


前と同じセリフだったから、また大和かと思った…


ていうかなんでカラオケに!?


「なに、お前。

新しい彼氏?」


「そうだけど?」


えっ


尾白先輩が間に割って入った。


そして私の方をグイッと寄せた。


「人の彼女に手出さないでもらえる?」


わっ、


顔、近…


「ふーん。

愛されてんじゃん、あなた。

だけど…」


ニヤッと笑う口元。


私を見下す目。


「いつまで続くかねぇ?

こんなバカ犬に、付き合ってくれんのも今のうちだぜ?」


ゾクッ。


体が強ばり足がすくみそうになる。


やめて…


「ウザったくなる前に、別れといたほうがいーぜ、今の彼氏さん?」


ハッと笑って遥斗先輩は私たちに背を向けた。


「待てよ。」


尾白先輩が遥斗先輩の肩を掴む。


「あ?」


「その言い方からすると、元カレみたいだけど…

君はあなたちゃんの何を見てきたの?

あなたちゃんは君が思ってるような人じゃない。」





「…んなの、俺にはどーでもいいな。」


遥斗先輩は尾白先輩を睨んで手を振り払い、そのまま歩いていった。

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