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第21話

真実
あ…そび…?


「それ、由里知ってんの?」


由里先輩…ってこの前の…


「知るわけねーじゃん。

二股かけてるって思われるの面倒。

まぁ、この前1回バレたけど。」


「え、それでどーしたん?

バレたって、まずくねぇ?」


「いや、だからそれがあなたと別れるっつー時。」


「もー、お前さ、由里が本命ならほかの女切ればいいのに。」


え…


由里先輩が…本命…?


じゃあ、勘違いしてたのは…私の方ってこと…?


カッと顔が熱くなった。


「いや、あいつのことは好きだけど、つまんねーじゃん?

やっぱ息抜きも必要だよなー」


「息抜きって」


友達は笑いながら言った。


先輩のあんな風な喋り方、初めて聞いた。


これが…先輩の本性?


恥ずかしい。


私は…遊ばれてた。


本当の彼女じゃなかった…


「そのうちあなたちゃんが本命になっちゃったりしてー

お前ら今日も一緒に帰るんだろ?」


「はっ、絶対有り得ねー。」


ドン、となにか重いもので頭を殴られた感覚。


「一緒に帰るのだって、怪しまれねーようにするためだし。

ほら、あなた、なんかうぜーほど絡んでくんだよ

由里とのことがあってなんか変にスイッチ入っちゃったみたいでさ。」


グサグサと言葉の矢が胸に刺さっていく。


“ウザイ”


私は…そんなだったの…?


「もーあの時マジで切っちゃえばよかったのに。」


「いや切ろうとしたよ?俺は。

けどあいつがまだ俺の犬でいてぇって言うからさ?

仕方なく。」


「犬って、マジでサイテーお前!」


2人の笑う声が教室に響いている。


私の耳まで、バッチリ届く。


ぽた、と雫が床に落ちた。


ここから逃げたいのに。


足が動いてくれない。


「まぁ、あんなヤツ、その程度。

もう飽きてきたし、そろそろ切るかな…」


鼻の先がツンと痛くて。


涙は次々と溢れるばかりで。


私はすごく惨めな気持ちになった。


優しかった先輩も私に笑いかけてくれた先輩も、全部全部嘘だった。


私は…


「んじゃ、そろそろ行くわ。」


「おー、もう45分じゃん。

“カノジョ”待ちくたびれてんじゃねぇ?」


「だーかーらー、彼女じゃねえって。

それにアイツ、待つの好きだし。

マジで犬だよな。

犬の散歩だよこれからー。」


やば。


声が近づいてくる。


逃げなきゃ。


下駄箱で待ってなきゃ。


足に力が入らない。


動けない。


壁に寄りかかったまま、私は涙を流し続けることしか出来なかった。