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第19話

勘違い
“別れよう”


その言葉が私の胸に深く突き刺さった。


遥斗先輩は、私のことを考えてくれていた。


なのに、こんな形で終わってしまうの?


傷つけるかもしれない。


だから別れる。


そんなの…


嫌だよ…


「ま、待ってくださいっ!」


私は咄嗟に遥斗先輩の服の裾を掴んだ。


先輩は振り返らない。


どうして?


もう私の事、嫌いなの?


でも私のことを思って言ってくれたんでしょう?


「遥斗先輩っ…!」


その時の私はもう、先輩の言葉を完全に信じ切っていて。


お互い好き同士なのに、なんで別れなきゃ行けないの?という気持ちだった。


「先輩っ

私、別れたくないっ」


私は涙ながらに口にした。


「先輩のことが、好きなんです…」


手に力が入らなくなって、私は服の裾から手を離した。


先輩は、ゆっくり振り返って私の頭を撫でた。


「…俺といたら、また同じ目にあうかもよ?」


「大丈夫です…

呼び出しなんて、全然平気です。」


由里先輩と遥斗先輩の関係を、私は知っているから。


私が強くいればいい。


「あなたは俺の彼女じゃないって否定されるかもよ?」


「私、遥斗先輩のこと信じますから。」


由里先輩は勘違いしてる。


本当の彼女は私。


だから…


離れていかないで…。


私は俯くことしか出来なかった。


どんな答え方をされるのか怖かった。


顔を見れなかった。


「分かった。」


先輩の言葉に顔を上げる。


「ありがとう、あなた。」


そう言ってふっと笑った先輩。


切なそうに見えたその顔に、私は騙されたんだ。


この時先輩は、確かに私に“好き”とは言わなかった。


だけど、先輩のあの態度で、両想いだと思ってしまっていた。


私を変わらず好きでいてくれてる。


そう思ってた。


それからは元のように、学校で話したり、デートしたりの日々だった。


時々、先輩たちからコソコソ言われたり、ぶつかられたり、小さな嫌がらせみたいなことはあった。


でも私は負けない。


だって、私が正しい。


そう思って耐えた。


遥斗先輩は前と変わらず、むしろ、前よりも優しくなったと思う。


辛いこともあったけど、幸せだった。


でも、幸せな日々はそう長くは続かなかった。