数時間後_
俺らはLIVEは断念し、個室がいいと、カラオケ店へ来た。
そこで俺は、ここに来るまでによったドラッグストアで買った救急セットで杏月に消毒だけをしてもらっていた。
俺は、杏月に礼をした。
表情を変えるほど痛む傷はもう気にしない。
それは、毎朝コツコツやられてる行事のせいだ。
俺は、過去と今をしっかり杏月に話すことにした。
その言葉に疑問を抱く。
そう言って杏月が俺の額に手を伸ばした。
俺の前髪で隠れてた目が顕になり、杏月とバチッと目が合う。
少し顔を赤く染めた杏月がそう言うと、俺まで意識しちゃう。
困ったようにニコッと笑う杏月は、いつになく優しい顔をしていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。