聞こえた……メイドの愚痴
「あんなタマゴしか友達いないってウケるw」
「可哀想にねぇw人間に好かれないなんてw」
みんながいてくれるだけで充分なはずなのに……心が晴れない。
気にしないでいたはずなのに……なんでっ…
"私には人間の家族がいないのつ?"
9「っ!!」
言っちゃった……こんなの……最悪なわがままだっ……
最低だっ……最低すぎるっ……
ごめんねっ……キキ、ムム、モモ、アオ、レレ、リョク、ジジ、クロ、シロっ……
この日…….リョクとキキ、ムムがそばにいてくれた。
ただ…何も言わず……。
でも……次の日、9匹は姿を消した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!