あなたは小さな公園のベンチに座って、
1人空を見上げる。
テヨンは喉が渇いたと言って、飲み物を買ってくるとパンクした自転車をここに置いて行ってしまった。
久々に走ったから、身体が少し汗ばんでいる。
あなたは鞄の中からタオルを取り出して、首筋に流れた汗を拭いた。
今日の授業は何だったかな…。
ーー数分後
私の名前を呼んで、笑顔で走ってくるテヨンを発見。
コンビニまで走ったのか、ビニール袋をブンブン振り回している。
テヨンから冷たいペットボトルを渡される。
別に何のジュースでもよかったくせに、わざとらしく愚痴をこぼす。
最近の私はちょっと可愛くない。
ペットボトルの蓋を開けようとしたら、大きな音と一緒に中身が一気に吹き出してきた。
炭酸のしぶきが、顔から服や腕にドボドボとかかった。
テヨンが笑いを堪えている。
あなたは不機嫌な顔をして、ベンチにペットボトルを置いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!