キーンコーンカーンッ
授業の終了を鳴らす鐘がなった。
俺の名前は五十嵐伊織。遠山沙耶の彼氏だ。沙耶は可愛くて頭も良くて誰にも好かれる自慢の彼女だ。
っつか授業やっと終わりかよー
まあHRやって終わりだしな。沙耶と久しぶりに帰れるしまー少し頑張っか。
この時までそう思っていた。
「伊織ー!遠山先生が呼んでたぞー!」
クラスメートが俺を呼ぶ。
はぁ?せっかく沙耶と帰れる日なのに!?なにしてくれてんの!?
「伊織。わたし待ってようか?」
優しい目をして沙耶が聞いてくる。
そんな沙耶が愛おしくて待っていて欲しいけど遠山先生といえば15分話せた言われれば30分話す先生。そんなに待たせてられないし...
俺は返事を決めた。
「いや。大丈夫ー。沙耶は先に帰っていて。」
「そっか...わかった、 また明日ね!」
「おう!きーつけて帰れよー。」
沙耶は笑顔でこっちを見て帰っていた、、
明日こそは沙耶に会える。そう思っていた。
沙耶を送り出した後俺は遠山先生の元へ向かった。
沙耶sid
たまには伊織と帰りたいなー。なんて口に出してみる。私にはもったいないくらいカッコよくて優しい彼氏がいる。そんな彼と付き合えてることさえ奇跡なのに一緒に帰りたいなんて欲を出したからなのかもしれない。
最後の曲がり角を曲がった途端...
キキーッキーッッドーンッドンッガシャーンッッ
あれ。私どうしたんだろう。体がふわって浮いて、、、
キャーッッ救急車!!誰か警察に!連絡!
たくさんの人の声がする。どうしたんだろう。何かあったのかな。起き上がろうとするところ身体に痛みが走って意識が朦朧としてきた。
ここは道だから寝ちゃダメよ。私。
そんなことを思いながらゆっくりゆっくり意識を手放した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。