第30話

30
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2019/03/30 03:18
翌日、5人で昼食を食べているときだった…
看護師
すみません。これを預かったのですが…
白石先生
白石先生
誰からですか?
あなた

藍沢あなたさんです。

藤川先生
藤川先生
あなたから⁉︎
看護師
みんなで呼んでくださいって伝えてほしいと…
白石先生
白石先生
すみません。ありがとうございます。
冴島さん
冴島さん
なんなんでしょうね?
緋山先生
緋山先生
また遺書とかないよね…
藤川先生
藤川先生
そんなこと言うなよ。心配になるだろ。
緋山先生
緋山先生
藍沢か白石、どっちかが読みなさいよ。
白石先生
白石先生
どうする?
藍沢先生
藍沢先生
俺が読むよ。
藍沢が手紙を読み始めた。
藍沢先生
藍沢先生
お父さん・お母さん
緋山先生・藤川先生・冴島さん
この手紙をもらったときすごくびっくりしたと思います。もしかしたらまた遺書なのかなって思ったのかもしれません。
緋山先生
緋山先生
あたしのことだ…
藍沢先生
藍沢先生
でも、これは遺書ではありません。
感謝の気持ちとこれから私が進んでいく道を強く示す手紙です。
藍沢先生
藍沢先生
なんで助かったのだろう…
なんで死ねなかったのだろう…
なんで生きているのだろう…
そんなことをある人に聞いたことがあります。
白石先生
白石先生
それって藤川先生?
藤川先生
藤川先生
いや、これは俺じゃないよ。
藍沢先生
藍沢先生
返ってきた言葉はこんな言葉でした。
あなたが死んでしまいたいと思う気持ちよりもみんなが生きてほしいと願う気持ちの方がはるかに大きいかったから。
そして、あなたの心のどこかに
“生きたい”
と願う気持ちが残っていたから
こんな言葉を言われました。
藍沢先生
藍沢先生
だから私はこの言葉を信じてみようと思います。お父さん達に助けてもらったら命をもう一度一からやり直してみようと思います。
今度は、自分の気持ちに正直で素直になれるように。寂しいときには寂しいと言える。辛い時には辛いと言える。楽しい時には笑顔で楽しいと言える。
そんな自分で居られるようになります。
藍沢先生
藍沢先生
お父さん・お母さん・緋山先生・藤川先生・冴島さん。もう一度、私といてくれますか?
お父さんこれからも、朝おはよって起こしてくれますか?
お母さんこれからも、毎日ご飯作ってくれますか?
緋山先生これからも、いつも大きな口を開けてたくさん笑ってくれますか?
藤川先生これからも、忙しいときでも嫌な顔せず一緒に楽しんでくれますか?
冴島さんこれからも、辛いときなにも言わずそばにいてくれますか?
みんな
当たり前でしょ…(だろ…)
藍沢先生
藍沢先生
もし、これからも一緒にいてくれるのなら後ろを向いて笑ってくれませんか?
みんな
そして、みんながゆっくりと後ろを向くと、そこにあなたがいた…
みんな
あなた…(あなたちゃん…)
あなた

みんな返事は…?

そう聞かれるとみんなは満面の笑みをあなたに向けた。
あなた

ありがとう…

あなたはお父さんとお母さんに抱きついた。






これから先、どんなことがあっても今度こそみんなで乗り越えていけるだろう…

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