第7話

無慈悲なるモノ
56
2024/05/05 13:52
天使
死になさい、命のために
ステラ
ステラ
ヒュン
鋭い天使の攻撃をステラは軽い様子で避けていく
そして冷めた目で天使を見ていた
天使
死になさい、命のために
ハウレス
ハウレス
!!ステラ!!
背後に回った天使が彼女を目掛けてその腕を振り降ろそうとする
その時だった
シャララララ、キーン、ザシュッ
天使
!?
ステラ
ステラ
そんな単調な攻撃が入ると思うな
振り下ろさた天使の腕は、鎖の先に付いた鋭利な刃で肩から切断されていた
刃の付いた鎖は辿るとステラの腕に繋がっていた
どうやら、彼女の武器らしい
ステラ
ステラ
無表情で両腕に繋がる鎖を引っ張り刃を自在に動かし天使の四肢を抉っていく
天使
し、死になさい…いい、命のために
ステラ
ステラ
邪魔
そう言うと天使の羽を切断し
ザシュッ
ステラ
ステラ
ホッ
べキャッ
落ちてきた天使の顔を周り蹴りで粉砕する
もう一度言う
天使の顔を蹴りで"粉砕"した
天使
そして、天使は消えていった
ハウレス
ハウレス
は!?
ステラ
ステラ
んお、どうした?そんな大声出して
フェネス
フェネス
いやいやいやいや。普通、天使を蹴りで倒す?
ステラ
ステラ
うん、倒したね
フェネス
フェネス
倒したねって…普通、人間の力だと天使の身体に傷をつけるなんて不可能でしょ!
ハウレス
ハウレス
どうなっているんだ…
だが、フェネスの言う通りだ
人間の力だと天使に傷1つ付けられない。だからこそ、武器を使う
天使と実際に戦ったことの無い俺たちだが、それは常識として知っていた
だが、その常識をステラはいとも簡単に打ち砕いた
天使の顔を粉砕することで…
ステラは驚いた表情の俺たちを見て「ああ」と言ったふうに少し笑い、説明を始めた
ステラ
ステラ
私は生まれは北の大地でね
ステラ
ステラ
そこにしかいない部族の出身なんだけど…
ステラ
ステラ
私の部族はみんな他の人より五感や良かったり身体能力が常人の2倍くらいあったりするの
ステラ
ステラ
その中でも私は身体能力が高い方で特に筋力が発達してるから人離れした動きが可能なんだよ
フェネス
フェネス
え、…でも北の大地って魔女族しかいないんじゃ…
ステラ
ステラ
知られてないだけで意外と色んなところに色んな部族がいたりするようなもんだよ
ハウレス
ハウレス
そうなのか…
ステラ
ステラ
そうそう、まあちょっとやらないといけないことがあるから先に戻っといて〜
ハウレス
ハウレス
なっ!?
フェネス
フェネス
え、ちょっ、力強っ!
ステラ
ステラ
ほらほら〜
釈然としないままだったが、ステラに押され俺たちは屋敷へと戻った
市民
ヒソヒソ
市民
悪魔執事のやつらめ
市民
また増えやがったのか
市民
早く天使を倒せって言うんだよな
ステラ
ステラ
この度は天使を討伐することが遅くなり申し訳ありません
市民
チッ、もっと早く来いよ!!
市民
そのための"悪魔執事"だろうが!!
ベシャリ
ステラ
ステラ
……
市民
アハハハハ!見ろよあれ!トマトを頭から被ってるぜ!汚っw
市民
いい気味だなw
市民
オラオラもっと投げよーぜ
ステラ
ステラ
やるべきことがあると街に残ったステラが街の人たちから理不尽な行為をされているとも知らず
今思えば、それは俺たちを守るための行動であったのだろうと思う
新人であった俺たちに理不尽な目にあわせないため
悪魔執事をまとめるリーダーとして
彼女は人一倍、助けたものたちから卑下される行為に耐えていた

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