第41話

梟谷学園with赤葦京治
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2019/10/14 16:17
あれ以来赤葦くんと話すこともなく1週間が経過した。
放課後、本を持って図書室に行くと、珍しく図書室には誰もいなかった
もともと静かな場所が好きなので、しばらく居座ることにした。
1時間くらい経ったのだろうか、時計の針は5時を指していて、慌てて片付けをし、教室に戻ると、私の席に誰かいる
あなた

…え?

ドアの窓から覗いてみると、そこには机に伏して寝ている赤葦くんがいた。
たしか今日はバレー部はオフのはずだ
赤葦京治
ん、…
赤葦京治
あ、小山内さん
あなた

あ、赤葦くん何やってるの…

赤葦京治
鞄置いてあったからまだいるのかなって思って待ってた
赤葦くんはニコッと笑うと立ち上がって、
赤葦京治
帰ろ?送ってく
と言った。
私は慌てて教室に入り鞄に荷物をまとめた
赤葦京治
難しい本読んでるね
あなた

へ?!あ、これは、分厚いけど結構読みやすいよ

赤葦京治
へ〜、それ読み終わったら貸してほしい
あなた

あ、は、はいわかりました!

次、話す約束ができて嬉しすぎて、もう泣きそう。今日は命日かもしれない。
玄関に着くと、外はいつの間にか降ってきた雨で地面が濡れていた
傘を持ってくるのを忘れた…
赤葦京治
ん?どうした?
あなた

あ、いえ気にしないでください

赤葦京治
…傘忘れた?
あなた

(ギクッ)

赤葦京治
俺大きいやつだから入ってきな?
あなた

いいいいえ、迷惑かけるわけにはいかないので

赤葦京治
迷惑なわけないでしょ。俺が勝手に待ってたんだから、俺に送らせて?
子犬のような目で、赤葦くんは私の顔を覗き込んできた。断れるわけない。
あなた

あ、ありがとう…

赤葦京治
いいえ
さりげなく歩道側歩いてくれたり、傘を傾けてくれたり、紳士で、かっこよくて、私はまた赤葦くんを好きになる
顔を見るたびに、ああ好きだなぁって思うし、私如きが赤葦くんとどうこうなろうとかそう言うわけじゃないけど、やっぱり隣にいたいなぁって思ってしまう
赤葦京治
どうしたの?
クスッと笑った赤葦くんと目があって、慌てて逸らしてしまった。赤葦くんの横顔が美しくて見惚れてしまった
あなた

あ、もうすぐ家着くので大丈夫ですよ

赤葦京治
最後まで送るから、家教えて?ここ右?
あなた

あ、もう何から何までありがとう。そうそこ右

赤葦京治
りょーかい
あまり2人ともベラベラ喋るってわけじゃないから、沈黙も心地良くて、結局赤葦くんがいればなんでもいいんだなってことに気付いてしまった。
あなた

あ、ここです。わざわざありがとう赤葦くん気をつけてね?

赤葦京治
こっちこそ勝手に待っててごめんね?一緒に帰れて楽しかった!明日ね
赤葦くんはそう言うと来た道を戻って行った
うすうす感じてたけど、やっぱり家、逆方向だった
家に入ってブレザーを脱ぐと、ポケットの中からなにやら紙が落ちてきた
あなた

…なんだろう?

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