第34話

稲荷崎with宮治
2,121
2019/06/22 06:17
次の日、伊織さんにお礼を言って家に帰る
学校へ行く準備をして深呼吸をして学校へ向かう




治side
宮治
ほんま!お前のせいやからな!
宮侑
なにキレとんねん?!
宮治
絶対、李零起きとったで?!
宮侑
だからなんや!
宮治
引かれたんや!絶対そうや!
宮侑
はぁ?意味わからん
宮治
自分が好きやない人が自分のこと好きや言うてんの聞いて2人で出掛けようなんて思わんやろ?
宮侑
ほー
宮治
ほんま侑のせいやからな!
宮治
嫌われた絶対もう李零話してくれない…
宮侑
………










李零side
藤嶋李零
おはよー!
みんなに明るく挨拶をして階段を上る
3階について廊下を歩いていくと前から宮兄弟が歩いてきた
昨日の侑からのラインを見ると治はもしかしたら…
なんて勝手に舞い上がってると宮兄弟との距離が3メートルに近づいていた
藤嶋李零
あ、お、おはよ…う
パッと顔を上げて声をかけると横をすっと治が抜けていった
…え?
慌てて振り返ると治は教室に入っていった。侑は私の前で立ち止まって治を見届けていた
藤嶋李零
え、侑…治、どうしたん?
藤嶋李零
も、もしかして私が小さすぎて見えなかったとかかな?あはは治たちがでかすぎるんだよ…?
宮侑
李零
藤嶋李零
もっかい挨拶したほうがいいよね!うん…
宮侑
李零!
藤嶋李零
な、なんや侑
宮侑
焦るなって
藤嶋李零
べ、べつに焦ってなんか…
宮侑
一回落ち着けや、部活終わりにもっかい話せ
藤嶋李零
でも…
宮侑
いーから、ほら入れ
侑に背中を押されて教室に入る
涙が溢れてきて、俯いて立ち止まってしまった。
宮侑
こんなとこで泣くなや
はぁ、とため息をつきながらもみんなに見えないように覆ってくれる侑はなんだかんだ優しいけど伊織さんに悪い気がして離れた
藤嶋李零
ごめん、大丈夫やから
自分の席についてぼーっとしてたら気づけば放課後で教室には私いがい誰もいなかった
あと10分で部活が始まる
あああ、部活行きたくない…
でも行かないと…
宮侑
まだこんなとこに居たんか
藤嶋李零
…なんや、侑か
宮侑
治かと思ったか
藤嶋李零
…っるさい
宮侑
とりあえず部活でろ
藤嶋李零
でも
宮侑
そんな甘い気持ちで稲荷崎のマネージャー務まるんか?
宮侑
そんなんやったらやめればええんちゃう?
宮侑
李零やったから監督はマネージャーに入れてくれたんちゃうの?
宮侑
色恋で練習休むマネージャーなんかいらんわ
そう吐き捨てると侑は教室を出て行った。
侑の言う通りだよ…
体育館に入ると北さんに一通り心配されてから怒られた。
急いでボトルを持って水道へ向かう
前から治が歩いてきてたけど
宮治
ね、李零…
俯いて走って横を通り過ぎた





治side
朝、李零の挨拶を無視したのは絶対ダメだった
でも、嫌われてるかもって思ったらちゃんと李零の顔見れなかった
ってこんなの言い訳か
李零が珍しくギリギリに部活に来て焦ったようにボトルを持って走っていた
部活中にあんなに慌ててる李零は見たことない。危なっかしいな
宮治
ね、李零
え?
今絶対、気づいてたよね…
人のこと言える立場じゃないけど、無視キツ…
謝ったほうがいいよね…

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