バスケをする高杉くんもすごくかっこよくて
高杉くんを好きになるこの気持ちは留まることを知らなかった。
高杉くんを好きになって暫くすると
私はこの気持ちに栓をするのが焦れったく思ったのかダメ元で高杉くんに思いを伝えて見ようと思った。
きっと高杉くんは私を覚えてすらいない。
だけど、この私の気持ちは伝えよう。
そう思った。
「高杉くん。私…高杉くんのことが好きみたいです!」
私は昼休み、思い切ってそう高杉くんに伝えてみた。
嘘偽りのない私の気持ち。
高杉くんがどう受け止めるのかは分からない
だけど伝えず終わってしまうのは後悔しそうだから…
だけど返ってくる返事を聞くのは怖い。
暫く静寂が私と高杉くんを包む。
「そっか…綾川は俺のこと好きなのか」
やっと発された高杉くんの言葉。
あれ?今、私の名前…
顔を上げると
「俺もずっと綾川のこと好きだったよ」
そう笑う高杉くんは今までで1番かっこよく見えた。
「だよね…やっぱり私なんか…ってええ!?」
てっきり困らせると思いきや、高杉くんは確かに私の名前を呼んで好きと言ってくれた。
「好きだよ。綾川」
アタフタしている私を見て、もう1度そう言っくれる。
高杉くんも…私のこと…
嬉しさで視界が歪む。
涙が目の淵に溜まる。
「で?俺とどうなりたいの?」
「どうなりたいと言うと?」
高杉くんの言ってる意味が分からないでいると
「俺と付き合ってください。」
そっか…そういうことだったんだ!
そんなの返事なんて1つしかない。
「もちろんです!」
そうして私たちは付き合うことになった。
高杉くんと過ごす日々は温かくて楽しくて本当に幸せだった。
「乃音の笑った顔が世界一好き」
そう言ってくれた高杉くん。
少し大げさな気もした。
だけどそれ以前に純粋に嬉しかった。
だけどそんな幸せな日々はそう長く続かなかったのだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。