第16話

過去からの訪問者❁*.
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2018/02/03 04:57
杉山君の所も試合が終わったのかコートから離れている。


どうして…どうして忘れてたんだろう。

杉山君がバスケをしていたということ。

バスケをする杉山君に恋をしたこと。


ズキズキ…


杉山君が近くにいるからなのか
胸の痛みは本当の痛みをみせる。


「お前なんてただの遊びなんだよ」

「お前なんてただの遊びなんだよ」
永原 隼人
永原 隼人
おい。
綾川 乃音
綾川 乃音
あっ!は、はい!
周りの声が聞こえなかったが悪魔が私の意識をやっと戻してくれた。
夏目 夜斗
夏目 夜斗
乃音ちゃん。
飲み物でも買いに行こうか
私の異変に気づいてか気を使ってくれる2人。

今は…今はこの2人の優しさに甘えよう。
綾川 乃音
綾川 乃音
うん!
私たちは自販機がある1階に降りる。
永原 隼人
永原 隼人
お前は何がいい
財布を持って尋ねてくる悪魔。
綾川 乃音
綾川 乃音
自分で払いますよ?
永原 隼人
永原 隼人
いい。
だから言え
悪魔は言葉は相変わらず荒いものの
温かい優しさは伝わってくる。

悪魔と居てもやっぱり楽しいし落ち着く。
綾川 乃音
綾川 乃音
ふふっ
ありがとうございます!いちごオレで!
私はお言葉に甘えて買ってもらうことにした。
杉山 透
杉山 透
あれ?
乃音?
3人で近くのベンチに座って次の試合について話し合ってると聞き覚えのある声が近くで私の名前を呼んだ。


心臓が嫌な音を立てる。

鼓動が速くなる。

今、1番聞きたくない声…


「うわ綾川じゃん。」

「え。てか綾川の隣に居る男子2人ちょーレベル高くない?」

「ほんとそれ!」


そう…相変わらず周りを沢山の女子に囲まれた
私の…大好きだった人…
綾川 乃音
綾川 乃音
た、高杉くん…
永原 隼人
永原 隼人
あ?誰だお前
杉山 透
杉山 透
こう見えて乃音と付き合ってるんだけど
夏目 夜斗
夏目 夜斗
っ!
悪魔とウサギ君が息を飲んだのが分かる。

2人は私の過去について知らない。

ううん。あんな過去知られてはならない。
杉山 透
杉山 透
乃音…
そう言って近づいてくる高杉くん。

その度鮮明に浮かび上がる過去。
綾川 乃音
綾川 乃音
こ、来ないで!
私はそう叫ぶ。
永原 隼人
永原 隼人
乃音から離れろ。
すごい形相で睨む悪魔。
夏目 夜斗
夏目 夜斗
ごめんね。
今、乃音ちゃんは俺らと居るんだ
私を庇うかのように立ってくれるウサギ君。
杉山 透
杉山 透
やっぱり…
ごめんな乃音。
そう言って高杉くんはどこかに行った。
永原 隼人
永原 隼人
安心しろ
お前には俺らがついてる
そう言って頭を撫でてくれる悪魔。
なんだろう…

あんなに男子なんて嫌いだって思ってたけど
悪魔に頭を撫でられるのは嫌じゃない。

むしろ落ち着く。


私は頭を撫でる手をやめた悪魔の顔を見つめ手そう思った。

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