そんなやり取りを交わして私たちは別れる。
お昼休み。
私は隼人達の弁当を抱え、いつもの空き教室に向かう。
何故か、誘われなくても自分から空き教室に向かうのが習慣になっていった。
角からひょこりと顔を出す麻美ちゃん。
麻美ちゃんの右手にはお弁当が持たれてあった。
途中で麻美ちゃんと遭遇し、私達は空き教室へと向かう。
ガラッ
扉を開けるといつものように2人は居た。
私と麻美ちゃんは中に入る。
すると麻美ちゃんは目を潤ませながら隼人の名前を呼んだ。
隼人はそんな声を漏らす。
私はそう隼人に注意して椅子に座る。
そう言葉を加え、隼人と夜斗に弁当を渡す
ちゃっかり麻美ちゃんは隼人の隣の席をゲットしている。
それだけ好きなんだな…隼人のこと。
ひしひしと伝わる麻美ちゃんの想いに私は少し俯く。
少し切なそうに麻美ちゃんはそう言う
そう麻美ちゃんに言いながら卵焼きを頬張る隼人。
口に合うならいいや。
夜斗も気に入ったみたいでよかった…
私も弁当を食べる。
麻美ちゃんはそれ以上何も言わないまま
お昼を食べていた。
悪いことしちゃったかな…
隼人が女の子嫌いって分かってたはずなのに
連れてきちゃって傷つけたかも…
" まぁいいけど " そう言うつもりだったが
麻美ちゃんのその言葉に遮られる。
チクチク…
はぁ痛い…
やっぱり私…隼人のこと…
ううん。そんなわけない。
久しぶりに男子に関わったからだよね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!