隼人と距離が近くなってからか
私たちの関係は急速に縮まった。
今はお昼休み。
私と隼人はそんな言い争いをしていた。
理由は私の卵焼きを隼人が勝手に食べたから
隼人と話すようになってから色々な隼人を知れた。
外見に似合わず子供っぽいところ。
頑固なところ。
やっぱり優しいところ。
隼人は常にお昼は菓子パンだ。
どんな事情があるのかは知らない。
だけど、私が踏み込んじゃダメな気がする。
どっちにせよ毎日菓子パンじゃ栄養が偏る!
私の弁当を作るついでに隼人に作ってきてあげよう!
学園の女の子達には私達が幼馴染だということはバレずに通せている。
だけど私は学園のルールを思い出す。
えっと確か…
" 隼人はみんなのもの " だっけ。
抜けがけはどうたらこうたら…
今考えると違和感ありありだ。
だって…
私は少しの怒りを溜め、ウィンナーを頬張る
何故か知らないが、あれだけ関わりたくなかった隼人をモノ扱いする皆が許せなかった。
途中からウサギ君も合流して3人でお昼を食べる。
まさか本当に頼られるとは思っていなく
少し驚いた。
だけど何だか信用されている気がして
悪い気はしなかった。
ウサギ君はちゃんと弁当を作ってきている。
お母さんもお父さんも居ないウサギ君は昔から
自分で作ってきたのか私よりもクオリティは高い。
うっ…
ウサギ君…なかなかやるね…
ウサギ君の言葉に重ねるかのように
隼人はそう言う。
少し…怒ってる?
そう言い合う2人も何だか兄弟みたいで微笑ましい。
明日は朝から少し忙しそうだ。
男の子だから食べる量も多いだろうし…
頑張ろう!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。