髪を乾かし終えたユンギさんがシャワー室から出てくる。
子どもたちを起こさないように、足音を立てないよう気を使いながら歩くユンギさんを見て、“お父さんだな”なんて思いながら、、
私は、子どもたちに視線を移した。
一つの大きなベットに、川の字になって眠っている3人の子どもたち。
このお部屋には、3つベットがある。
すると、私が座っているベットの近くにある机の上の電話が鳴った。
それを取ろうとユンギさんが私の後ろにある受話器に手を伸ばそうとしたとき……
ベットのシーツにつまずいたユンギさんの体が、私の体ごと押し倒してベットに倒れた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!