第8話

思ったことしか言わない。
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2020/10/13 08:52
伊藤 汰一
伊藤 汰一
でさ、具体的に俺何手伝えば良いの??てか相手教えろよ??
湖谷 夏音
湖谷 夏音
ダメー!相手は成功したらね!!
湖谷 夏音
湖谷 夏音
何をするかと言いますと、あれです。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
あれ。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
センパァイ、あれじゃ分かんないっす。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
ひたすら私の告白にケチつけて。
汰一得意でしょ、そういうの。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
言い方言い方。俺がクソ野郎みたいに言うのヤメテね。
今現在、俺の家、そして俺の部屋。


そしてそして夏音さん、


俺はそんなクズではありません。


撤回を…
湖谷 夏音
湖谷 夏音
間違っちゃいないでしょ。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
否定できない。
撤回を求める権利すらありませんでした。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
で、意味わかる??
伊藤 汰一
伊藤 汰一
告白されたら文句をひたすら言えってこと?
湖谷 夏音
湖谷 夏音
そゆこと。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
文句なしになるまでやると。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
そーゆーこと。よくお分かりで。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
それ期限いつまで?それによっちゃコメントが変わりますね。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
文化祭の後!片付けの時間は基本フリーでしょ!それなら呼び出せる…!
湖谷 夏音
湖谷 夏音
と思う!!
拳を作りつつ、その自信はどこから来るのか、


見事などや顔。ここまで来ると清々しい。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
うわ不安。でもガンバ。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
ん?てことは連絡先ゲットしたの?
湖谷 夏音
湖谷 夏音
まぁね~!
伊藤 汰一
伊藤 汰一
あっ腹立ってきたリア充爆ぜろ。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
落ち着け非リア。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
おっと俺の拳が火を吹くぜ?
湖谷 夏音
湖谷 夏音
やめとけやめとけ、貧弱な腕が折れちゃうでしょうが運動オンチ。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
っるせぇ陸上ゴリラ。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
おーしやっぱ殴ろうそこに直れ。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
きゃー(棒)時間無くなるぅ~。
確かに貧弱だけど!!男の子です!!


そんなひ弱じゃないもん!!


と、腕捲りしたら夏音で鼻で笑われた。


そんなに腕細いかね俺は。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
はぁぁぁぁ、まぁいいや。やるよ。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
切り換え早。はい、どぉぞ。
そういうと夏音はもう一度深呼吸してから、


面と向かってこう言った。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
…えっと、実は、
伝えたいことがありまして。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
うん。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
……ずっと前から、好きでした。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
私と、付き合ってくれませんか。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
はぁい、声小さ~い。
いいか?舞台は文化祭後の片付け中。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
皆があれ取ってこれ持ってってと騒ぐ中、そぉんなちっさい声で聞こえるか!!
伊藤 汰一
伊藤 汰一
あと、固い。これを在り来たりな言葉で言うなら肩の力抜いて??
伊藤 汰一
伊藤 汰一
あと、
湖谷 夏音
湖谷 夏音
え゙っ、まだあんの?
伊藤 汰一
伊藤 汰一
ハキハキ喋った方が好感度高い。
もごもごしてると馬鹿にしたくなる。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
はい、以上。
俺の怒濤の素直な感想。


思ったことしか言ってませーん。


夏音に対してだから言えるわ。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
はぁぁぁ、課題山積み帰りたい。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
どうぞ出口はあちらです。
あとコーラ驕ってね。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
さっき冷蔵庫に入れといた。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
ナイス。
流石腐れ縁の幼なじみ。


こういうとこの波長は合ってるんだよなぁ。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
あぁぁぁ緊張してきた。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
文化祭はあと二週間ちょいありますよお嬢さん。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
知ってる~。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
てかそっちの組何やんの?
湖谷 夏音
湖谷 夏音
え?おばけ屋敷。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
草の二乗。え?めっちゃ幼稚だけど??どうしたの??
湖谷 夏音
湖谷 夏音
おぉおぉ、マウントか?
そっちは何なのさ。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
仮装カフェ(笑)
幼稚なのはどっちもどっちか。


まぁ高校生の文化祭なんてこんなもんだろ。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
笑ってんじゃねぇか。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
メイド服着れば?
伊藤 汰一
伊藤 汰一
拷問の間違いかな??
俺が作り笑いしながら拳を出そうとすると、


夏音のスマホが鳴った。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
あっ、ママから。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
えぇ~外食か~。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
はい、行ってら。羨ましい。
そんじゃーね、また明日。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
突っ込みたい所あるけどまぁいいや、じゃーね、また明日。
これからこれが続くんかぁ。


まぁクッッッソ面倒だし限りなくダルいけど、


仕方ない、飲み物のため。


と、何故か出てったはずの夏音が戻ってくる。
湖谷 夏音
湖谷 夏音
あ、ご指導ありがとうございました、
次も宜しくお願いしまぁす。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
いーえ。
そんなこと言いに来たのか、とは言わずに、


純粋な笑顔で夏音を送り出したのであった。

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