今現在、俺の家、そして俺の部屋。
そしてそして夏音さん、
俺はそんなクズではありません。
撤回を…
撤回を求める権利すらありませんでした。
拳を作りつつ、その自信はどこから来るのか、
見事などや顔。ここまで来ると清々しい。
確かに貧弱だけど!!男の子です!!
そんなひ弱じゃないもん!!
と、腕捲りしたら夏音で鼻で笑われた。
そんなに腕細いかね俺は。
そういうと夏音はもう一度深呼吸してから、
面と向かってこう言った。
俺の怒濤の素直な感想。
思ったことしか言ってませーん。
夏音に対してだから言えるわ。
流石腐れ縁の幼なじみ。
こういうとこの波長は合ってるんだよなぁ。
幼稚なのはどっちもどっちか。
まぁ高校生の文化祭なんてこんなもんだろ。
俺が作り笑いしながら拳を出そうとすると、
夏音のスマホが鳴った。
これからこれが続くんかぁ。
まぁクッッッソ面倒だし限りなくダルいけど、
仕方ない、飲み物のため。
と、何故か出てったはずの夏音が戻ってくる。
そんなこと言いに来たのか、とは言わずに、
純粋な笑顔で夏音を送り出したのであった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。