第3話

化物、襲来。
112
2020/10/06 12:37
神坂 白織
神坂 白織
じゃ、じゃあそういうことで…
伊藤 汰一
伊藤 汰一
え??ちょ、待って、
流石に連絡先とか交換しないと…
まさかの要件済んだら即帰ろうとする神坂。


一体どうやって人に好かれる方法教えるんですか。


あれ待って、これめっちゃ面倒臭いのでは??


あ、しかもこれ気付かない方が良かったヤツだ。
神坂 白織
神坂 白織
…!そ、そうよね、ごめんなさい。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
いいえ、俺読み取るから見せて?
神坂 白織
神坂 白織
はい。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
はーい、OK。てかあの、教えてとか言ってたけど、俺で良いの?
こーんな漫画のモブ臭い男が良い理由とか、


マジで見当たらないんだが。
神坂 白織
神坂 白織
そ、それは、伊藤くんじゃないと駄目なの……なっ、仲良くしたいから…
伊藤 汰一
伊藤 汰一
あっ、ごめんやっぱ今のナシ、
俺が照れ死ぬ、はい、じゃあ解散。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
また連絡して?もしくはするね?
神坂 白織
神坂 白織
え、えぇ勿論、あ、あの!
伊藤 汰一
伊藤 汰一
はい??もしかしてまだある感じ??
俺が流れに任せて解散しようとすると、


目を逸らされつつ止められる。


はい、なんでしょう。俺はシリじゃないので、


お答えできませんを連呼するよ、しちゃうからね。
神坂 白織
神坂 白織
いえ!いや、あ、あ…
どうしたの、何々、魔物に襲われてるんですか?


俺は勇者じゃないので逃げますよ??
神坂 白織
神坂 白織
ありがとう…っ、こんな、意味が分かりもしないこと受けてくれて…
伊藤 汰一
伊藤 汰一
あっ、自覚アリだったんですね。
どうしよう、嬉しいのに素直に喜べない自分がいる。


よし死のう。死なないけど。(矛盾)
神坂 白織
神坂 白織
それと!
伊藤 汰一
伊藤 汰一
まだあるんですね、
もう待ちます。はい。どうぞ。
神坂 白織
神坂 白織
ま、また、明日…。
伊藤 汰一
伊藤 汰一
…うん、また明日ね、神坂。
思ったよりも平和すぎる天使のような言葉に、


いつものヘラヘラとした顔よりも、


少し優しい笑顔が、


出来た、気がするような。しないような。


その後は帰り道を一人でとぼとぼ帰っていた。


いや、純粋に告白されて、面倒事引き受けて、


俺今日運が良いのか悪いのか分からねぇなオイ。


いや~~~マジか~~~マジか~~


そっか、神坂が…神坂が??


いやおかしいって、もしかしてそーやって、


弱味握って後々潰されるのかな俺。


うーーーん、でもあれはガチの顔だよなぁ~。


そんな鈍感でわかんないよぉってヒロインじゃないし、俺。


てか男だよボケ。


などと嘆いて歩いたのが更に間違いだったんだ。
???
たぁぁぁいいいいちぃぃぃー!!!
伊藤 汰一
伊藤 汰一
ぎゃぁぁぁぁ化物ぉぉぉぉ!!
ということで、俺の目の前に、


化物みたいな顔した女が現れたのであった。
いやまじ怖い、ペ○ーワイズ並に怖い。


とか言ってる場合じゃない。


この女から引き受ける面倒事こそ、


更に俺の首を絞めるのだった。

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