第40話

深澤辰哉×先生
2,181
2020/04/12 03:27

深澤side














「先生は彼女には優しそうだよね」













それを最後に

彼女は振り向いて屋上の入口へ歩き出した










『………………俺、彼女いないよ』










「…………え?」










『彼女いない。むしろ君以外いらない』










「え、何言ってんの」











『……………はじめて君を見た時、一目惚れしたんだ、』










「……………………」










『だから君に会うためにここへ来るようなった。』











君を独り占めできるし











「…………先生なのに」











『…………先生と生徒だけど。その前に1人の人間さ』











「……いいこと言うね」












『まぁね』











「私も先生のこと好きだったよ。今日会えるかなーとか気にしてた。…………でもね、先生」











“私、明日しぬんだ“












『は………?』












今にも消えそうな笑顔で、彼女は確かにそう言った。


俺は呆然と立ち尽くして
彼女は屋上から去った












嘘だろ、からかってるよ
明日にはまた屋上にいる。


自分に言い聞かせるように。
























でも彼女はいなかった


次の日も次の日も。













それを気に俺は教師を辞めた。




















おわり











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