第2話
白い君と僕。
ふっと笑うあなたちゃんは今にも消えそうに見えた。
消えそうなほど、綺麗で儚い。
俺らしくねーけどそんな風に思ったんだ。
思わず、照れ隠しに怒鳴る。
みんなの視線が集まったかと思いきやすぐに逸らされた。
あなたちゃんの顔はケロリとしていた。
本当は俺達がいなくなるから寂しいとか言ってほしいなーって思ったけどそうでもなさそう。
小さな声で俺に囁いてきた。
思わず見とれて返事が遅くなる。
なんか、調子狂う。
はるかちゃんは普通にしてるんだろうけど俺の鼓動は早くなる。
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いおりんが手渡してきたのは昼間に食ったあなたちゃんのクッキー。
綺麗に袋に入れてある。
俺のアホな顔を見て呆れつつもいおりんに渡された。
大切にバックにしまう。
その後、皆と合流し現場に向かった。
mezzoデビュー後すぐはずっと新幹線とかバスだったから車ってなんか新鮮。
もうすでに大人組は車に乗っていた。
あとは……そーちゃんがいない
俺の隣はいつもそーちゃん。
空っぽになった気がして少し悲しくなった。
無性にお腹すいて、あなたちゃんに貰ったクッキーを取り出す。
そーちゃんが慌てて車に乗り込んだ。
いつも5分前行動とか言ってんのに。
俺がクッキーを食べているところを見て口を開く。
1枚、そーちゃんに渡す。
クッキーをひとかじり。
その瞬間、そーちゃんの顔が緩んだ。
いつもとは違う表情を見せた。
こんな顔も出来るんだなって、ちょっとだけ嬉しかった。
スマホを取り出して写真を開く。
そーちゃんにスマホを渡し、写真を見せる。
さっきとは違って驚いている。
そーちゃんってコロコロ表情変わんだなー。
そんなこと思ってたらそーちゃんが俺の方を向いて言った。