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第1話

ある夏の日の事。
1,073
2018/07/17 13:57
IDOLiSH7が結成される前の話。

僕は大学に通っていた。

大学まではいつも歩いていた、今日はいつもと違う道を通ろうと思い右に曲がる道を左に曲がった。

逢坂壮五
逢坂壮五
わぁ……
ちょうど、梅雨の時期で紫陽花が満開だった。

紫や青、ピンクの色とりどりの紫陽花がその道を鮮やかに彩っていた。

あなた
あなた
~♪~♪
どこからか微かに聞こえる歌声、綺麗な透き通った声で思わず聞き惚れてしまうほど。

どんどん奥に進んで声の主を探す。

真っ直ぐ進んでも誰もいない、そっと紫陽花の咲き誇る草の中へ入った。

逢坂壮五
逢坂壮五
っ、わ!
ツタが足に絡んで、盛大に転けてしまった。

その様子を見ていたのか、誰かの微かな笑い声と共に手がさしのべられた。
上を向けば綺麗な青紫色の瞳をした少年だった。
あなた
あなた
……大丈夫?
暑い日差しに、セミの鳴き声。

今でもまだ彼の姿が鮮明に記憶に残っている。

·
和泉一織
和泉一織
酷い雨ですね……
IDOLiSH7を結成してから初めての夏。
7月終わりになってもまだ雨は振り続けていた。

和泉三月
和泉三月
今日はmezzo仕事あっただろ?時間大丈夫か?
IDOLiSH7はデビューせず、先にデビューしたmezzo。
仕事がどんどん増え、IDOLiSH7の名も広まってきた。
逢坂壮五
逢坂壮五
あと10分で出ないと遅刻する!
四葉環
四葉環
なんでもっと早く起こしてくれねーんだよ!
相変わらず喧嘩は多いものの、仕事をこなしているようだった。
陸と三月、一織でmezzoを見送った。
四葉環
四葉環
いってきます!
外に出るとセミの鳴き声が聞こえる。
うるさいほど鳴いているがそれも夏の風物詩、なんて思いながらも急いでテレビ局へ向かう。
逢坂壮五
逢坂壮五
あ、ここ……
久しぶりに通りかかったのはあの日の紫陽花通り。
全く姿は変わらず咲き誇る紫陽花は美しかった。
四葉環
四葉環
そーちゃん!遅刻する!
逢坂壮五
逢坂壮五
待って!環くん!


·
逢坂壮五
逢坂壮五
以上、MEZZO"でした!
四葉環
四葉環
次も楽しみに待っとけよ〜
その言葉と共に収録は終わった。
スタッフさん達が慌ただしく仕事をしている中僕達はゆっくり歩く。
ほっと、ため息をつき環くんと楽屋に向かう。
四葉環
四葉環
づがれだ……
逢坂壮五
逢坂壮五
お疲れ様、環くん。
今日の収録はもう終わりだよ
四葉環
四葉環
んー……
よっぽど疲れたのか眠り始めた。
少しだけ寝かせてあげよう、今日も朝早かったし。
眠る環くんに毛布をかけた。


·
和泉一織
和泉一織
おはようございます、あなたさん
次の日、俺は学校に行った。
昨日の疲れはあるけどテストが近いから頑張って行くことにした。
四葉環
四葉環
ふぁぁぁ……おはよーあなたちゃん
あなた
あなた
おはよう、一織と環
ふわふわの淡い茶色の髪に綺麗な青紫色の目のあなたちゃん。
あなたちゃんの席が俺の隣だったからいつの間にか俺たちは仲良くなってた。
話してると落ち着くっていうか安心する。
和泉一織
和泉一織
四葉さん、今朝朝ごはん食べてないでしょう?
四葉環
四葉環
腹減った……
あなた
あなた
俺のクッキーいる?
四葉環
四葉環
え?クッキー?!いるいる!
お菓子作るのすんげぇ上手くて、美味しいんだ。
手渡されたクッキーを頬張る。
甘くてサクサクした食感がして、美味しさで頬が緩む。
四葉環
四葉環
美味い……

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