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2021/01/12

第46話

待ちきれなくて
そして、その日の夜七時。
私とお母さんは、アラタの家の前に来ていた。
お母さん
さぁ、今日は乾杯よ! 
飲み明かすわよ~!
お母さんは、お酒とオードブルとお菓子のつまった袋を両手に持ちながら、うれしそうに言った。
佐護 ひまり
佐護 ひまり
お母さん、あんまりハメはずさないでよ?
佐護 ひまり
佐護 ひまり
しかも私、いちおう病み上がりなんだけど……
お母さん
大丈夫よ。
ひまりが具合悪くなったら、お布団引いてくれるって、志穂さんが言ってくれてたから
佐護 ひまり
佐護 ひまり
ああ、そう……
毎度のことだけど、子どもそっちのけで、
飲んで楽しもうとしてるのが、バレバレだよ!
お母さん
いいじゃないの。今日はあっくんのお祝いなんだから!
お母さん
ひまりは……、
試合は負けちゃったけど、そうねぇ、快気祝い?
とにかく、おめでたいづくしってことで!
佐護 ひまり
佐護 ひまり
……もう、なんでもいいよ
お母さんはウキウキしながら、インターホンを押す。
……あのあと、アラタは無事イベントに戻って、読モの選抜投票が行われた。

そして見事、アラタはXーBOYに選ばれたんだ。
しかも、結果は二位。

新人の読モとしては、かなりの快挙だったらしい。

私の方は、あれからだいぶ体調もよくなって、簡単な診察を終えた後、無事家に帰ることができた。

元気になった私を見て、お祝い好きなお母さんたちは、アラタの祝勝パーティーをすると言い出して……、今に至る。
アラタのお母さん
いらっしゃい! 
ひまりちゃん、体調はどう? 
辛くなったらすぐに横になって休めばいいからね
佐護 ひまり
佐護 ひまり
うん
アラタのお母さん
二人とも、上がって
お母さん
さぁさぁ、今日は飲み明かすわよー!
お母さんはうれしそうに家に入っていく。
けれど、私はそわそわしながらアラタのお母さんに聞いてみた。
佐護 ひまり
佐護 ひまり
アラタは、もう帰ってる?
アラタのお母さん
それがね、まだ帰ってないの。
でも、一時間前に終わったって電話があったから、もうすぐ帰ってくると思うわ
アラタのお母さん
暑いし、家に入って待ってて
佐護 ひまり
佐護 ひまり
ううん、いいの。
私、ちょっと見てくるね
そう言って、私は駅までの道を歩き出した。

……少しでも早く、アラタに会いたいから。
はやる気持ちを抑えられず、
次第に早歩きから小走りになっていく。

そうして、家の近くの曲がり角を曲がった時だった。
井川 アラタ
井川 アラタ
うわっ!
出会い頭に誰かとぶつかって顔を上げると、
そこにはアラタがいた。
佐護 ひまり
佐護 ひまり
あっ!
井川 アラタ
井川 アラタ
……ひまり!? どうして?
アラタはいきなり現れた私に驚いて、目を瞬いた。
佐護 ひまり
佐護 ひまり
アラタ!!
私はアラタに会えたのが嬉しくて、そのままアラタの胸にとびこんだ。
井川 アラタ
井川 アラタ
えっ!?
いきなり抱きついた私に、アラタはびっくりしていたけれど。
井川 アラタ
井川 アラタ
ひまり……!
すぐに両手に持っていた大きな紙袋をおろして、私をぎゅっと抱きしめ返してくれた。