あなたの下の名前said
それから毎日制限時間ギリギリまでターコイズブルーの花のそばにいた………
やることがないって言うのも理由だけど、何だかこの花の近くにいると何だか心が軽くなった気がするから………
どこに居るかわからない燈矢兄のことを考える日もあった………あの人たちは兄さんが死んだと思ってる……でも私はそう思えない……不可解な点が多すぎる………
でも………ここにいては何もできない…………何も調べられない…………
そんなことを考える日を送っていたら、ついに花が枯れてしまった…………
毎日水はあげてたけど、元々日当たりが悪いから長くは持たなくなったんだろう………
たった一輪花が枯れただけなのにとても寂しく感じる………
誰かに呼ばれ振り返ると病院の裏ゲートの向こう側に誰かいるのが見えた……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!