第16話

後会
35
2022/07/05 14:20



付き人が馬車の扉に向かって話しかけている


すると扉が開いて降りてくるのが見えた


傘帽子に布がついたものを被っていて


顔が見えなかったが風によってなびくと


その隙間から顔がみえた





綺麗な顔立ちの男性


あなたはその場に立ち尽くした


羅雲
羅雲
あなた...無事だったんだね
もう心配することはない
家へ帰ろう


あなたの髪を撫でて肩を抱き寄せた


兄の着物から香りがした


懐かしくなるような香り...
(なまえ)
あなた
 羅雲レオ..兄さん
私...記憶を無くしてて
何も覚えていないの
羅雲
羅雲
知っている
ジャン氏家の弟子が私のところへ
教えてくれたからすぐ駆け付けたんだ
無理せずしばらくは
ゆっくり身体を休めて
(なまえ)
あなた
...はい


いざ兄と会ってみたものの


どう接しって良いか分からず戸惑うあなた


羅雲
羅雲
この度は世話になった
感謝する
今はすぐ帰るが、改めて礼を申し上げる
ジャン宗主によろしくと伝えてくれ
攏月
攏月
はい
お伝えしておきます
気をつけてお帰り下さい


攏月はそう言うと深くお辞儀をした

(なまえ)
あなた
本当にお世話になりました
いろいろとありがとうございました
皆さまに私からも
よろしくお伝い願います
あなたは深くお辞儀をし


兄と馬車に乗り 雲深冷月うんしんれいげつを後にした



そしての故郷の蓮灯花れんとうかへと向かった







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