第5話

5話
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2019/04/03 08:40
待って待って、やばいやばい。バレてた。
どうしよう、どうしよう…。
その間に、グク先生がこっちに向かってきてるから、必死に内側から扉を押さえる。
でも、外側から強い力で掃除用具入れの扉を開けられて、そのままグク先生に飛び込む形になる。















直ぐに姿勢を戻す。
『あの…私、誰にも言いませんから。』
早く、ここから逃げたい。
『なにも、見てないですから…』

「まだ俺何も言ってないけど?」

本当に、グク先生なの…?
そんなに冷たい目で、生徒を見るの…?


「…それに、見てただろ。」















何も言えずに俯いてたら、
「やめれば?俺を好きになんの。」

『…へ…?』
「俺はお前が思ってるような生やさしい先生じゃねえよ。」
『猫被ってたんですか…』
「そう、こっちが本当。」
…でも、おかしいのかな?猫被ってたから嫌いとか、そんなの無い。

『…それでも、好きです。』















「高校生活は短いんだから…」

『短いから大事なんです。今やれることをやりたいんです。』

「今やれること?」

『…私が中3の時に、母が病気で倒れて、その時に何もしてあげられなかったんです。そのまま亡くなって。ありがとうの一言も言えなかった…。

だからもう、後悔したくない。』















「それで?…あんなに積極的だったんだ?」
『はい…、でも、もう大丈夫です。グク先生に彼女がいるってわかったし…やっぱり、生徒は先生に恋しちゃダメですね…。』

苦しい嘘だった。

でも、グク先生だって彼女いないって嘘ついたんだから、おあいこだよね。

『…失礼します。』















そう言って、頭を下げて部屋を出ようとしたら、グク先生に腕を掴まれる。
そのまま引き寄せられれば、視界が暗くなる。

わかったのは、グク先生と唇が重なっているってこと。















「じゃあ、その短い高校生活を、俺が貰ってやるよ。」

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