艶っぽい声で響いたその言葉が、私の心臓の内側をドクドク叩く。
「あ、でも勘違いしないでね。全然好きとかじゃないから。」
それでもいい。近くにいたい。
「あと、高校生は女じゃないと思ってる。
ガキには興味ないから、ごめんね?」
普段とギャップがありすぎて、心臓が潰れそうです。先生…。
きっと、言ってることは最低なんだろうけど、その冷たい視線も言葉も、余裕たっぷりなその笑顔も…全部全部…大好きです…。
『あぁ、好きすぎて死ぬかも。』
自分の部屋で1人呟いたはずなのに。
《きもちわりぃな。》
って、私の部屋の扉に凭れ掛かって冷めた目で私を見るジフン。
『あのねぇ!勝手に入ってこないでっていつも言ってんじゃん!』
《あーはいはい。》
とか言いながらベットに腰掛けてくる。
《お前、まじであいつが好きなの?》
『好きだよ…。全然相手にして貰えないけど。』
《やめたほうがいいんじゃね》
『あんたに関係…』
《泣いてるとこ見たくない。》
お母さんが死んじゃって、私が泣いてる時にずっと慰めていてくれたジフン。
『泣いたりして、もうジフンに迷惑かけないよ!』
《そういうことじゃなくてさ…》
なんか変。
いつものふざけた感じじゃなくて、真剣な顔。
《他にも男はいるよって話。》
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!