第13話

thー11🧡
284
2020/04/08 02:56
《てつやside》
只今動画の撮影中だ
今回は料理対決で、あのすばらしいダークマター生産者しばゆーと組むことになってしまった
いや、いつも俺もノってきちゃってやばい事になるんだけどね……(汗)

あ、やべ、タイマー代わりのスマホ忘れた
てつや
てつや
ごめん、ちょっとスマホ取り行ってくる
ゆめまる
ゆめまる
いってら〜
あなたは退屈していないだろうか、今何をしているのか、部屋に向かう途中その事ばかり考えていた

だが、少し開いてる俺の部屋の扉の前で俺はピタッと止まってしまった
行こうとしたが、どうしても行けなかった
足が進もうとしなかった
何故なら、そこには楽しそうに話をしているあなたとりょうの姿があったからだ
そっと2人の様子を覗いてみる
りょう
りょう
え、あなたちゃんって料理できるの?
あなた
出来ますよ〜!りょうさんよりは絶対上手じゃないと思いますが……笑
りょう
りょう
えー嘘だ、今度俺の家に作りに来てよ笑
あなた
なっ何言ってるんですかぁ!?
私めなんかがお邪魔しちゃいけない領域ですって!!
りょう
りょう
いーからいーから笑
あなた
むっ、むぅ……笑
その中で驚いたのが
あなたちゃんが俺には見せたことのない表情で話している所と、りょうが必要以上にあなたちゃんにスキンシップを取っているところだ
何かよくわからないけど
モヤモヤがすごかった
てつや
てつや
(頭ポンポンとか、何だよそれ……出来ねぇよ)
俺はスマホをいくとに借りる事にしてその場を離れた
最初っからそうすればよかった
でなければあの光景は見ずに済んだのに……
てつや
てつや
(俺なんかがりょうに敵うわけなかろーが…)
最初からそうすればよかった
いや、元々スマホを持ってくる必要性もあまりなかった
ただ無性に部屋に行きたかった
あなたがいたから
だがそこには俺の親友がいた
普通なら全然割り込めるはずだが、どうしても行けなかった
きっとこの上ない程、悔しかったんだ…







その後の撮影はなんとかYouTuber魂と根気で隠し通し、無事笑顔で乗り切ったのだった

つづく

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