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第50話

失くしたもの
1,513
2022/01/08 13:25
玄関前でため息をつく

何の成果もなく戻ってきてしまった

そう思う反面

家に帰ってきた安心感を感じる


清「ただいま…」

ボソッと1人呟いて、部屋に向かう




ガチャ

清「わっ!びっくりした、市川くんか」

丁度ドアを開けようとしていた市川くんと顔を合わせる


ん?

普段はおかえり、とか何か一言あるのに俺の顔を見て無言で行ってしまった

まぁ怒ってる訳でもなさそうだったし、とあまり気にせず部屋の中に入る



清「ただいま」

ベッドで座ってるこたに声を掛けて何気なく顔を見る

は…?


小「おかえりっ、何か今日は早いねっ」

まじまじと見つめると、こたは顔を逸らす


清「市川くん居たけど、どうした?」

小「別にっ、ちょっと話してただけだよ」


絶対、嘘だ

こたの顔は普通じゃない

上気した顔にほわっとした気だるい色気が物語ってる


清「…何してた?」

もう一度聞いた


小「だから、話を…」


ベッドサイドまで歩いて来るとこたの匂いが強くなって、思わずまた顔を見てしまう

こいつ…


いたたまれなくなり荷物だけ置いてすぐに部屋を出た





みなとの部屋に行ったけれど誰も居なかった

さっちゃんの部屋には市川くんが居るから行きたくない

リビングでさっちゃんにLINEした



さ「きよちゃん、どうしたー?」

笑顔で入ってくるさっちゃんに一瞬で救われる

清「たまにはリビングで話そうかなって」

さ「いいよー!じゃあ僕ともTiktok撮ってよ」


こんなとこで過ごしていても仕方がないのは分かってる

それでもあの部屋に暫く戻りたくない

さっちゃんとTiktokを撮ったり、お勧めのお笑い動画を見て夜中まで過ごした




寝るね、とさっちゃんがリビングを出ていった後も動けないでいた

こたが市川くんと…

絶対そうだよな…



慶「…何してんの」

何もせずソファーで佇んでいたら声を掛けられる

清「…もう寝ようかと思ってたとこ」

市川くんがソファーまで来た瞬間に立ち上がると


慶「こたろう可愛いね」

は?喧嘩売ってんの?


黙って歩き出すと俺の後ろを付いてくる

清「…」

リビングのドアを開けようとすると後ろから手が伸びてきて、ドアを押さえつける

清「何なん?」

そう言って振り向いたら


慶「喘ぎ声我慢しようとしてる顔も、イク時の顔も、溢れちゃってる声も」

慶「ホントに可愛いよね」


あんたほんま悪魔やな

わざわざ報告する必要ある?



黙って力強くドアを開けると市川くんの手が退いた

慶「危ねーな」

楽しそうな声が聞こえたけど無視した


本当はもう夜中だし、そのまま部屋で寝ようと思ったけど

そんな気分ではなくなった


まだ帰ってきていないみなとのベッドにダイブして、着替えもせずに眠った





三「きよちゃーん?何で俺のとこで寝てんの?」

目を開けるとたった今帰りました、と分かるカバンを斜め掛けしたみなとが覗き込んでいる

清「おはよ…何でやろな…」

三「みなちゃん居なくて寂しかったのー?」

清「そうかもな」

三「りょうがと泊まりで遊んできたんだ!」

もう起きなよ、と促されて起きる




少しの勇気を振り絞ってドアを開ける

こたはその音で目が覚めたらしく、布団の中でモゾモゾ動き出す

お風呂の支度をしてると

小「どこで寝たの?」

眠そうな声がしたけど、そっちを向くことなく答える

清「この部屋臭いからみなとの部屋で寝た」

返事は無かった





シャワーを浴びながら、意地の悪い事を言える立場じゃないのに、と思った

自業自得なんだから、こんな態度を取ってはいけない

仕事はきちんとしないと…





YouTubeの撮影はレッスン場でダンス動画だった

あまり喋らなくても、絡まなくても良かったから少し安心した



小「きよちゃん…」

レッスンまでの時間にスマホをいじっているとこたが隣に座る

小「あのっ、ごめんね…」

清「何が?」

小「へ、部屋がっ…臭かったって…」

段々小さくなる声

清「…俺の部屋でもあるから」

清「あそこでしないで」

小「うん、分かった」



小「…怒ってる?」

沈黙が流れて気にしたんだろう

上目遣いで心配そうな顔を覗かせる

清「別に…気まずいだけ」

何とか笑ってみる


清「もうええから気にすんな」

小「仲良くしてくれる?」

清「してくれる」





ドアが開いてきょうやの顔が見えた途端

匡「入って」

有無を言わせず腕をグイッと引っ張られる

…別にもう拒む理由無くなったけどね


大袈裟にベッドにドスンと座る

匡「そんな怖い顔したってダメだからね」

清「まだ何も言ってへんし…今そんな気力ない」


自分に向けられた渋い表情ではないと分かり、安心したのか隣に座るきょうや

清「笑ってる?」

匡「笑ってないよ、嫌な事あったなら忘れさせてあげないとって思ってた」

立ち上がったかと思うと、俺の上に乗って


匡「使っていいよ、俺の身体」