真夏の夜、真一郎のお店で真一郎とテレビを見ているときだった
すこし、お店の方から音がした
『切れた!!』
やっぱり、誰かいる
少し怖くなり、真一郎のシャツを掴みながら後ろを歩いた
万次郎の誕生日にあげるつもりだったバイクに跨っている人が居た
子供、かな?
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泥棒に近づくと、見た事ある顔だった
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すると、後ろから足音が聞こえ、振り向いた
私は思わず、真一郎の背中を、私が後ろに飛んで押した
ザシュ
左目を抑えながら膝から崩れた私を庇うに、真一郎が覆いかぶさった
ゴキッ
背中にかかる重みが、重くなった
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微かに、耳元で息音が聞こえた
私がそう言うと、パトカーの音が聞こえた
🐺🌙🐺
私は、左目を失明
左眉尻の上から唇の上までの傷跡
真一郎は、下半身麻痺
一生、車椅子生活
それだけで済んだのが奇跡だったらしい
だから私は、真一郎に与えられた分のお返しを始めた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。