え?
黒桜❀がそう言った、次の瞬間。
ピッ……
黒い何かが、私の頬を斬った。
黒桜は、ガタガタ震えて動けなさそう。
なら私がやんなきゃ……!
その時。
『ねぇ、あなたちゃん。
君の力ってこんなもんだったっけ?
昔はもっと強かったのになあ…
ん?身体に力が入らないの?
ふふっ、じゃあボクが強くなる魔法をかけ
てあげる。
”汝の力を我が見積り、其方に汝の強さと
なる、汝の手足となる武器を其方に授けよ
う。其れは何時も其方の支えとなるだろ
う──”
…ふふ、これでどうかな?
うん、うん…良かったね。
其れが、あなたちゃんの武器だよ。』
これが…
私の武器……
ヤイバに立ち向かうための勇気…
私の服はいつの間にかドレスに変わっており、何故か動きやすかった。
いや、そんなことを考えている暇はない……!
兎に角、今は実践有るのみ──!
い、たい。
お腹が、頭が、身体全身が。
炎に溶かされている様。
痛い、苦しい、悲しい、痛い、
こ わ い。
だ、め。
今、歯向かったら──
………。
…………。
……………。
全てが終わる。
ヤイバは嗤う。
私は地面に這いつくばる。
地の果てが見えてくる。
私の物語の終幕だ。
『あーあ、やっぱりそんなもんなのかねえ?
あなたちゃん。
じゃあ、私の名前を教えて?』
「…貴方は自分の名前が分からないの?」
『あはは!面白いね!
違うよ。
君に私の名前を覚えさせることで君の力が
上がる筈なんだ。
え?なに?
名前が分からないって?
えー。
じゃあ、これを見れb』
NEXT PEGE
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。